
助太刀
神戸 克之 助太刀総研 研究員
1997年には464万人いた建設技能者は、2023年には307万人にまで減少し、人手不足に直面しています。また、2020年時点で建設技能者の60歳以上の割合は全体の25.7%を占めていますが、29歳以下の若年層は約12%となっており、人材の高齢化進行も問題となっています(出典:総務省「労働力調査」)。
建設業界と全産業の求人倍率を比較すると、全産業の有効求人倍率が1.20倍、新規有効求人倍率が2.05倍であるのに対し、建設業(採掘従事者含む)の有効求人倍率は5.27倍、新規有効求人倍率は7.15倍と、他産業に比べて人材確保が困難であることがわかります(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年1月分)」)。
こうした中、建設業界として人材を確保するために、人材の多様化が進むと考えられます。特に外国人労働者は増加傾向にあり、2024年10月時点で外国人建設業従事者が17万7902人に達し、前年から3万2921人増加しています。
なお、行政では外国人就業者の労働環境整備や人権保護を目的の一つとした制度の見直しを進めており、より働き手としての外国人の活躍機会は増加すると考えられます。企業の採用手段としては、これまでの「人伝て」や「ハローワーク」経由に加え、近年では有料求人媒体サービス等の活用が増えています。
助太刀総研の調査では、200万円以上の採用予算を充てている企業が中途採用に成功しており、従業員数が4人以下の事業者でも200万円以上の予算を確保している割合が26%に上ります(出典:助太刀総研「建設業の中途採用状況調査」2024年6月実施)。
また、採用活動においては、近年では自社の魅力をアピールし、複数の採用チャネルを活用する企業の成功例が見られます。
自社ホームページの充実だけではなく、YouTubeやInstagram等のSNSも積極的に活用する企業も増加しており、今後は企業独自の魅力をどうやって、いかに伝えるかが採用活動にとって重要なポイントになっていくと考えられます。