仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障がいの2024年度労災請求件数が過去最多の1055件に上ったことが、厚生労働省がまとめた「過労死等の労災補償状況」で分かった。(文:日本人材ニュース編集部)

業務災害に係る精神障がいに関する事案の労災補償の請求件数は、3780件で前年度比205件の増加だった。
支給決定件数は1055件で、前年度から172件増加して初めて1000件を超えた。
支給決定件数を業種別に見ると、「医療、福祉」270件、「製造業」161件、「卸売業、小売業」120件の順に多い。
具体的な出来事を見ると、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」224件(前年度比67件増)、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」119件(前年度比19件増)、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」108件(前年度比56件増)、「セクシャルハラスメントを受けた」105件(前年度比2件増)が100件を超えている。
「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」の請求件数が前年度の83件から207件へ大幅に増加し、カスハラに関する認定基準を2023年に見直した影響がうかがえる。
「過労死等の労災補償状況」の詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59039.html
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