
NUXE
徳永 彩加 コンサルタント
【PROFILE】高等専門学校にて生物応用化学を専攻後、シオノギファーマにて分析業務に従事し、株式会社NUXEに参画。
2002年から2021年までの20年間で日本国内の労働者人口は6330万人から6713万人へと383万人増加しています。
しかし、製造業における労働者人口は1202万人から1045万人と157万人も減少しています。また、全産業に占める製造業の就業者数の割合は19.0%から15.6%と減少しており、企業側はいかに人材を確保するか、またITを活用した生産性の向上、教育が今後ますます重要となります(出典:2022年版ものづくり白書)。
製造系の現場で働くエンジニアの採用ニーズが依然として堅調である一方、多くの企業でDX化推進やAI活用を積極的に取り入れ、デジタル人材の採用を加速させています。
ただ、デジタル関連の求人は要件に適合する人材の希少さから需給が追いつかず、本格的なデジタル化に至るまで時間を要する可能性が高いと考えられます。
求職者の動向としては大手企業からの転職が近年増加傾向にあります(出典:総務省統計データ)。2019年のトヨタ自動車の豊田章男社長による、終身雇用制度の崩壊を示唆する発言も踏まえ、今後大手企業からの人材の流出が年々増加することが見込まれます。
人材不足の中で採用を成功させるためには、いかに企業の魅力を求職者に伝えることができるかがとても重要です。たとえ素晴らしい事業、サービス、文化をもっていても、その魅力を伝えられていない企業だと優秀な求職者の採用機会を逃している可能性があります。
まずは自社の魅力について言語化し、採用広報に注力することや、人材エージェントを用いて自社の魅力が多くの求職者に届く仕組みを検討する必要があります。
また、採用が成功している企業の多くは、多様な人材の活用も視野に入れています。特に近年、シニア世代、外国人労働者、フリーランスの増加に伴い、多様性のある人材をいかに活用できるかが今後の更なる企業の成長の鍵となるのではないでしょうか。
企業としての在り方が企業を形成する「採用」を通して問われています。
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