【著者が語る】未来のキャリアを創るリスキリング

小野 隆 デロイト トーマツ グループ パートナー

デロイト トーマツ グループ
小野 隆 パートナー

【PROFILE】人事領域の機能・組織・業務・人材の変革について、HRテクノロジー、デジタルHR、エンプロイーエクスペリエンス、BPR、SSC・BPO、チェンジマネジメント等の観点から支援している。グローバルヒューマンキャピタルトレンドサーベイに関する講演多数。グループ組織再編・M&Aにおける人事PMI等に豊富な経験を持つ。著書に「最強組織を作る人事変革の教科書(日本能率協会マネジメントセンター)」がある。

本書は個人向け内容が8割、経営者や人事担当者向け内容が2割の構成になっています。こうした構成はコンサルティングファームの者が執筆する書籍としては珍しいかもしれません。

ここ数年来、各社で取り組まれている人的資本経営の大きなコンセプトは、「個の自律とそれを支える企業・組織」への変革だと認識しています。

個人が(今所属している企業以外の可能性も含めて)キャリア自律すること、すなわち、自らのキャリアを考え、ゴールを定め、アンラーニングしてスキルを身につけなおし、社内外の仕事で活躍する、さらにスキルを状況にあわせてアップデートする、という一連の取り組みを継続していく、そして、個人同士がコラボレーションして付加価値を高めていく、といった取り組みを多くの方が行うようになれば、個人としても所属企業にとってもハッピーではないか、と考えた次第です。

しかしながら、リスキリングはパフォーマンスがあがらない方やシニア向けといった考え方が根強いのも事実です。本書は、リスキリング、アップスキリング、アンラーニングを改めて定義する試みに加え、様々な世代の方がリスキリングしていく様子を架空の人物のストーリーとして描くことでイメージを持って頂きやすくしました。

私自身、事業会社で新卒から人事領域を約7年間担当後、現職のコンサルティングファームに転職しましたが、転職時にはスキルだけでなくマインドのギャップが甚だしく、当初は全くパフォーマンスが発揮できませんでした。

こういった経験から、リスキリングにチャレンジしようとされている方に対して心からエールを送りたいと考えており、そのチャレンジの一助になればという思いから執筆しています。

生成AI/AIが急速に進化・浸透し、今後、人間との協働や代替が進むと想定される中、リスキリング・アップスキリング・アンラーニングの重要性は益々大きくなるものと考えています。

本書では、日本の雇用状況に関する考察、世界のリスキリング取り組み状況、国や地方自治体の企業向け・個人向け支援内容、スキルベースの人材マネジメントの潮流など、リスキリングを考える際に有用と思われるコンテンツを盛り込み、個人の方はもちろん企業経営者・人事担当者の皆さんにも参考にしていただける内容と考えています。

未来のキャリアを創る リスキリング

小野隆、小出翔、町田幸司 著
すばる舎
2,700円+税

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