
コーチングフォワード
相川 貴志
代表取締役CEO/(ICF)国際コーチング連盟認定コーチACC
【PROFILE】日本電気にて大規模プロジェクトのPMとして流通サービス領域のDX化を推進。その後、リクルートに移りHRサービスの企画開発を手掛ける。そこで得た勝ち筋を創る視点とチーム投資の考えを形にするべく、スタートアップ企業にて人事組織とマーケティングチームの立ち上げを主導。採用、グローバル組織開発、ブランド策定、新規事業開発を管掌。2022年、エージェントセブンに執行役員として参画。この業界では前例の無いカスタマーサクセスを立ち上げ、ファンマーケティング・リスキリングなどの新規事業を推進。2024年にはパラレルでコーチングフォワードを創業。個人と組織の「自己実現体質」を社会実装するために、コーチングを取り入れたアプローチでのHRサービス開発に尽力。
知識量が価値の源泉だった時代は終わりを告げようとしています。AIの急速な進化によって、知識のインプットだけでなく、成果としてのアウトプットまでも代替されつつある現在、人材育成の現場では、「どんな知識を教えるか」から「どんな問いを立てられるか」へと発想を転換することが求められています。
こうしたAIと共存する環境下において、プロフェッショナル人材が担うべきスキルとは何でしょうか。――その答えが「問いそのものを立てる力」にあります。
あらゆる知識や解決手法がAIによって提示されるようになれば、「何を解くか(問いを定義する力)」こそが、私たちに残された創造的知性であり、価値創出の源泉となるのです。
本書『反転思考』は、まさにこの課題に応えるために開発されたメソッドを解説しています。従来のビジネス現場で重視されてきたインプット/アウトプット型の業務プロセスを「問いを立てるフェーズ」に反転させ、思考の質を飛躍的に高める実践的なアプローチです。
このメソッドにより思考は深まり、個人のパフォーマンス向上が期待できるだけでなく、チームや組織全体の変革にもつながっていきます。導入にあたっては、問いの設計手法や対話のルール設計、組織内での共通言語化が不可欠です。
さらには、コーチング手法の活用により真のインサイトを引き出すことで、メンバー同士が問いをぶつけ合い、本質的な課題を浮かび上がらせる土壌を整えます。これにより、個人レベルの成長だけでなく、組織全体の思考と行動が大きくブレイクスルーする可能性を秘めています。
具体的には、決裁・社員研修・商談・ピッチ・コミュニティ活動を始めとしたビジネスでのあらゆる重要局面において、どのような手順で反転思考を取り入れ成果に結びつけるかを解説しています。
OJTやOFF-JTといった既存の育成アプローチでは到達しえなかった、チーム単位での非連続的成長を実現する手法として、特に人材育成・組織開発に課題を抱える人事責任者の方に読んでいただきたい一冊です。

相川貴志 著
Laule’a出版
710円+税