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泉谷 翔 代表取締役社長
【PROFILE】1994年リクルート入社。2004年ソフトバンクBB入社。ソフトバンク通信事業3社を兼任し、営業・技術統括の組織人事を担当。2012年グリー入社。国内の人事戦略、人事制度、福利厚生、人材開発の責任者を歴任。2014年より東京東信用金庫に入庫し地域活性化に従事。2017年6月AllDeal創業。2018年11月、All Personalに社名変更。パフォーマンステック事業CANTERA責任者。2022年6月ビジネス雑誌Forbes JAPANを運営するリンクタイズグループとのジョイントベンチャーLUF創業。代表に就任。
人事職の中途採用では、企業側の最大ニーズは採用担当です。採用難による人材不足が続く中、即戦力としての採用業務経験者を求める傾向が強く、なかでも採用PM経験者のニーズが高いです。
一般的になりつつあるRPO等の外部パートナーを織り込んだオペレーション体制の設計やそのマネジメント、KPI設計と進捗管理、ステークホルダーの調整まで担えることが特徴的なポジションとなります。
一方、求職者側の転職理由は概ね三つに収斂します。
①人事の仕事は会社が変わっても大枠は変わらないことから、転職を通じて「同じ人事領域内でできることを増やす、もしくは変える」機会を求めている(例えば、採用から組織開発・人事企画へ役割を広げたいなど)、②人材系企業での営業職から企業人事へ転じたい、③相性のよい経営者や企業カルチャーを求めたい、です。
①は現職においても実現できる可能性がありますが、③は会社固有のもので変えにくく、転職理由としては合理性が高いです。ただし意思決定は単一要因ではなく複合的となっています(②はジョブチェンジとなるため、本レポートでは割愛します)。
以上を踏まえ、企業が人事職の採用を成功させるには、求人票や採用広報、つまり情報発信の質と量を高めることが肝要と考えます。たとえばジョブスコープ、成果責任、裁量の幅、隣接領域(組織開発・人事企画)との接点と染み出し余地、プロジェクト推進の期待値を明確にします。
とりわけ、採用を軸にしつつプロジェクト単位で推進し、外部パートナーを使いこなす設計力を備えた人材は市場でも非常に評価が高く、企業からの引き合いが強いです。ゆえに企業側は、「いかに選んでもらえるか」の観点で情報発信をしていくことで母集団の質が上がります。
さらに、③のニーズに応えるため、経営者自身についてや組織風土、事業の方向性を言語化し、情報を発信することが求められます。また、カジュアル面談をはじめとした選考の初期段階から期待値のすり合わせも重要となります。