
ウィルオブ・コンストラクション
田中 謙 代表取締役社長
【PROFILE】2004年大東文化大学卒業後、セントメディア(現ウィルオブ・ワーク)に新卒入社。コールセンター事業部部長、管理部部長兼戦略推進室室長を経て、2018年6月にC4(現ウィルオブ・ワーク)の取締役に就任。2023年4月にウィルオブ・ワーク代表取締役社長に就任。
「経験者が採れない」という悩みは、今や建設業界共通のものとなりました。「有資格者の即戦力採用」が困難を極める中、市場は「未経験者のポテンシャル採用」へとシフトしつつあります。かつては理系に限定していたゼネコンの求人も、現在は文系出身者や異業種からの応募を歓迎するなど、条件緩和が急速に進んでいます。
現場が未経験者に求めるのは、技術よりも「対人折衝力」です。具体的には、ベテラン職人の中に飛び込み、物怖じせずに指示を出せるコミュニケーション能力が挙げられます。そのため、バイタリティある人材は採用決定率が高く、現場での定着率も良い傾向にあります。高度なPCスキルは不要ですが、工事関連書類をスムーズに作成できるレベルは必須条件となっています。
対する求職者の動向は、私たちが想像する以上に慎重です。自己実現的な志望動機を持つ層は減少し、「安定」「手に職」を軸に、エージェントの助言を得ながら活動する若手が増えています。
こうした安定志向の未経験者を惹きつけ、採用を成功させるために企業に求められるのは「受入れ体制の可視化」です。入社後の研修カリキュラムや正当な評価制度がいかに整備されているか。ここが彼らにとっての安心材料となり、入社の決め手となります。
そして何より、勝敗を分けるのは面接における「アトラクト(惹きつけ)」です。建設業界は「3K(きつい・汚い・危険)」などの旧来イメージを持たれやすく、採用ブランドの面で不利な立場に置かれがちです。そのため、単に「人材の良し悪しを見極めるだけの面接」をしていては、条件面や環境面で優位にたつ他産業との人材獲得競争に競り負けてしまいます。
必要なのは、自社や業界の魅力を根気よく伝える「魅力付けの面接」へのシフトです。候補者に寄り添い、選考プロセス全体を通じて体験価値を高める「採用CX」が求められています。人手不足が続く中、今後は外国籍人材やシニア層の活用も含め、選ばれるための柔軟な採用戦略を設計できる企業が人材を確保できると考えられます。




