【じげん】求人情報サイト「転職EX」など運営で上場の急成長ベンチャー

じげん

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平尾 丈 代表取締役社長

1982年、東京都生まれ。慶応義塾大学環境情報学部に在学中、2社のITベンチャーを立ち上げる。2005年に大学を卒業後、リクルートに入社。翌年にリクルートよりじげんの創業に参画。08年、25歳の若さでリクルートグループの最年少代表取締役に就任。10年にMBOにより独立し、13年11月22日に東証マザーズへの新規上場を果たす。

「ライフメディアプラットフォーム」とは、どのようなものですか。

例えば、ある人が転職を考える時、様々な転職情報サイトをチェックすると思いますが、ユーザーからすれば、サイトごとにIDを取得したり職務経歴書を作成するのは面倒です。当社の「転職EX」を利用すれば、大手サイトの求人情報を網羅し、ハローワークよりも多い約100万件の情報が掲載されていますので、ユーザーは1回のID登録で済み、職務経歴書も一つ作成すれば共通に使えるという利便性があります。同様の仕組みで、「アルバイトEX」「自動車EX」「婚活EX」など15のプラットフォームがあります。

ウェブの世界はよくロングテール構造と言われますが、転職市場でいえばニッチな専門職や地方の求人などが該当し、そのロングテールを集めると頭部を超えるほどの件数になるのです。 そういった細かな案件は、大手転職情報サイトでは費用対効果などの面で扱われにくいのですが、当社はそうした裾野の分野を拾うことにも力を入れてユーザーのより良く生きるための選択肢を拡大しています。

学生起業家だったそうですが、このビジネスを始めた経緯は?

学生時代に人材派遣や古本事業など100以上のビジネスを起こし、2度のIT起業も経験しました。そこでBtoBのビジネスの難しさを味わいました。一方、BtoCでは若くてもいいものをつくれば売れることは分かっていました。特にネットの世界ではまだまだ余地があると感じていたのです。

ある時、リクルートに市場調査のために出かけると、「そのビジネスをリクルートでやってみないか」と私の採用を持ちかけてくれたのです。私はリクルートを倒すことを目的に事業を興していろいろと考えてきたのですが(笑)、2005年にリクルートに新卒で入社しました。 実際にリクルートに入ってみると初めて気づくことがたくさんありました。翌年、関連会社であるドリコムジェネレーティッドメディアの立ち上げに参画し、リクルートグループの最年少取締役として同社に出向しました。

08年にやはり最年少で代表取締役に就任し、10年にはMBOにより独立しました。そういった経緯ですので、やるからにはリクルートではできないことをやろうと決めたのです。「ライフメディアプラットフォーム」のように、ワンストップですべての転職情報サイトが網羅できる仕組みをつくることは自社メディアを持つ会社ではできません。

リーマン・ショックの影響は大きくありませんでしたか。

求人や不動産業界のお客様は大きな影響を受けましたね。しかし、当社には追い風となる面もありました。というのも、不況でどの企業もコストを下げなければならなくなり、ユーザーの認知度アップや利用促進策としてのマス広告が切り詰められるとともに、シビアな成果報酬型で確実な業績向上につながるサービスが注目されるという流れが起きたからです。そういう意味で、経済環境は最悪でしたが参入しやすい時期でした。

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貴社に求人情報を提供することは、転職情報サイト側にどのようなメリットがあるのですか。

転職情報サイトは掲載企業と求職者という二つの顧客を持っていますが、掲載料金を支払ってくれる企業側に対しては求職者からどれだけ応募があるかという効果争いになっています。どこのサイトもコストをかけて求職者の獲得に努めていても同質化は否めません。 転職EX」は成功報酬型ですので、自社の転職情報サイトに登録していない応募者を低リスクで取り込むことができるというメリットがあります。

転職情報サイトからデータベースを提供してもらう交渉は大変ではないですか。

そのとおりです。ですから、各分野のトップ企業から合意を取り付けていきます。ちょうど「Web2.0」というムーブメントが起こり、グーグルなどが自社プロダクトのプログラムを公開するサービスを始めました。なぜそのようなことをするかというと、自社サービスへのトラフィックが増えるからであり、プログラム利用が有償の場合はビジネスになるからです。そんな時代背景も後押しになりました。

そして「トップ企業がデータベースを公開する」となると、追随する企業群もその効果を求めて公開をしてくれるようになっていきます。もっとも、単一サイトがマーケットの大半を占めているような業界は、それ以外の小規模なサイトを集めて横断させても効果は薄いでの対象にはなりません。

昨年11月に東証マザーズ上場を果たしましたが、業績はどのような状況ですか。

おかげさまで、昨年11月22日に東証マザーズに上場することができました。また、その同じ日に米レッドへリング社から世界中で最も革新的なテクノロジーベンチャー企業100社に贈られる「2013 RedHerring 100 Global Winners」を受賞しました。さらに同月29日には、新日本有限監査法人が主催する起業家表彰制度「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン2013」のチャレンジングスピリット部門において大賞を受賞することができました。

現在8期目ですが、業績は倍々で伸びており、求人広告分野ではすでに業界の中堅に匹敵するぐらいの規模になっています。好調の要因は、事業を横展開していくスピード感と新規事業開発力にあります。営業要員を抱える必要がなく、仕組みでビジネスを加速させていますので利益率も高いのです。お客様の収益が上がらないとサービスも続かないと自覚していますので、お客様とともに共存共栄していきたいと考えています。

今後の事業展開について教えください。

大きく3つあります。まずは市場を深耕して掲載するデータ量を増やしていくこと、次に新分野への展開です。そして、新たなモデルへの展開です。今はBtoBtoCのビジネスですが、マッチングの技術が向上していることもあり、一部では中古車のBtoBやチケットオークションのCtoCにも広げています。次元を超える会社として、「あらゆるマッチングを“じげん”が手がける」という発想で取り組んでいきたいと思っています。

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