【ロバート・ウォルターズ・ジャパン】専門分野別のチーム体制が特色、スペシャリスト人材の紹介に強み

1985年にイギリスで設立され、現在世界17カ国に展開している世界有数のスペシャリスト人材紹介会社、ロバート・ウォルターズ。ロバート・ウォルターズ・ジャパンは、グループの日本支社として2000年に東京に設立され、専門分野別のチーム体制によるスペシャリストの紹介を強みとしている。同社のビジネス戦略を、事業開発部長の大山良介氏に聞いた。

ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ロバート・ウォルターズ・ジャパン
大山 良介
事業開発部長

設立の経緯を教えてください

 2000年に日本支社が設立された背景には、当時、多くの外資系金融機関が日本に上陸し、バイリンガルの金融スペシャリストに対するニーズが急騰していたことがあります。外資系企業はスペシャリスト志向が高い人材へのニーズが強く、まさに当社の強みとする分野。これを機に、日本で本格的にビジネスを展開しようという方針が決まり、当社が設立されました。

 日本は世界第2位の経済大国なので、全世界のロバート・ウォルターズグループにおける日本支社としての期待値は非常に大きいと思います。一方、世界のほかの国々と比べて言葉や商習慣が特殊。ローカライズしたビジネスを行わないと競争に勝てないという認識もあります。したがって、本部からのトップダウンで動くことはあまりなく、相当な権限が委譲されています。風通しのよい組織ですね。

貴社の強みを教えてください

 スペシャリストに特化し、専門分野別のチーム体制を引いているところです。商工業、金融、IT、派遣の4部門の下、経理・財務や人事・法務・サポート、営業・マーケティング、物流・購買・サプライチェーンなどの業務別に22チームに細分化して運営しています。なお、これらチームの構成や所属人数は、業界動向などに応じて適宜見直しをかけています。また、契約社員、派遣業務を取り扱うコントラクト部門があり、顧客企業のニーズに合わせて、ワンストップで対応する体制を整えています。

 弊社に在籍する100人以上のバイリンガルコンサルタントの出身国は17カ国に及び、個々の各職種に関する豊富な業務経験とともに、綿密なトレーニングと蓄積された業務知識の共有化により、高レベルのサービスを提供しています。

 専門分野別チーム体制とすることで、当該業務に精通し、顧客企業の募集人材に求める要件レベルを的確に把握、迅速にマッチングできます。さらに、顧客企業との密なリレーション構築に努め、その企業風土になじむ人間性まで把握し、顧客企業の気づかない要件まで見出して人材をご紹介するようにしています。

 また、チーム間のコミュニケーションが綿密に取り交わされており、複数の担当コンサルタントが同じレベルで顧客企業の風土、ニーズを理解することで、サービスレベルの均等化と向上に努めています。

顧客のニーズや期待値にはどういったことが多いですか

 日本の製造業は輸出型が中心です。また、内需型のサービス業や流通業も、高齢化や人口減少社会を迎える中、市場を海外に求めたり、海外から商品を調達するといったグローバル化が避けられないでしょう。そのような国際競争においては、言葉だけではなく、世界に通用する高度で専門的なビジネススキルやマインドを持ったグローバル人材が不可欠です。

 我々は、日本国内のバイリンガルスペシャリストの紹介に強みがあるだけでなく、世界各地の拠点で登録したグローバル人材を的確に選別、紹介することができます。こうしたグローバル化のトレンドが今後ますます進展する中、我々にはアドバンテージがあると自負しています。

 また、既存事業が行き詰まり、新規事業展開を行おうにもノウハウを持った人材がいないという問題を抱えている企業も多くあります。当社は専門分野で経験を積んだ管理職クラスの紹介を強みとしていますので、そういっお客さまからソリューションをお求めいただくことが多いですね。

主な実績を教えてください

 当社は、昨年、マイクロソフト社が主催するMicrosoft Hiring Partner Seminar にて、「上半期サービスクオリティー部門」で第1位、「紹介実績数部門」で第3位を受賞しました。さらに、2008年度(2008年7月から1年間)の「マイクロソフト採用ゴールドパートナー」に認定されました。

 これは、同年7月より日本独自で開始されたプログラムで、マイクロソフト社の採用に関して最高度のサービスや実績を提供した人材紹介会社を、毎会計年度「ゴールドパートナー」として認定する賞です。選考の基準は、前年度の実績、年間の候補者紹介数、採用数、採用率、担当者の職種や部署に対する理解度、提供する高水準のサービスなど、様々な視点で総合的に評価され、最高水準であった人材紹介会社に授与されるものです。

 当社は、同社に対し、8 つの職種部門を9 人のコンサルタントが分担して人材紹介業務を行ってきましたが、その専門分野に特化したチーム体制による業務クオリティーを高くご評価いただきました。この認定により、優先的に採用担当者とのミーティングやセミナーへ参加が可能になり、いち早く同社の人材採用ニーズに応えることが可能になりました。

今後の目標、課題を教えてください

 外資系の人材会社はもっぱら外資系企業への対応に強みがあり、日系企業の風土への理解は浅いのではないかというイメージがあるかもしれませんが、当社は日系、外資系といった分け隔てをすることなく、あくまでも日本の人材会社として日本に根ざした事業を展開していきたいと考えています。

 日系企業のグローバル化、また企業体質の強化に寄与する優秀なスペシャリスト人材を、できるだけ多くの顧客企業にご紹介していきたいですね。また、弊社は非常にネットワーキングを大切にする企業であり、あらゆるセミナーやイベントを通じて顧客企業や求職者との関係を構築しています。どんな広告媒体よりも有効なマーケティング手段は口コミであり、常にコミュニケーションのアンテナを高く保つことが長期的な関係構築、ブランド育成にとって重要だと思います。

世界に展開する人材会社の立場から、日本の人材市場に懸念することはありますか

 まず、マネジメント層を転職者から採用することにアレルギーがある日系企業が多いということです。「外から来た人材がいきなり上司になるとあつれきを生む」と懸念する日系企業が多いのです。こういう考え方は外資系企業では一般的ではありません。

 一方、日系企業でもベンチャーなど急成長企業はフラットな組織を好み、マネジメント層の中途採用に意欲的なようです。また、バブル崩壊後の新卒採用抑制による影響が大きいですが、中途採用の選考基準として「35 歳まで」を上限とする企業が非常に多いですね。

 長期勤続のキャリア形成、技能継承のための年齢層の特定以外に、いまだ年功序列的な考えが影響していると思われます。これは欧米諸国には存在しない日本独自の現象です。少子化時代を迎えるにあたり、日系企業特有の人事制度が優秀な人材の採りこぼしにつながり、熾烈(しれつ)な国際競争に影を落とすことにならなければよいが、と案じているところです。

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