【著者が語る】できるリーダーのチェンジトークコミュニケーション~働きがい改革へ~

モチベートワーク総研

モチベートワーク総研
山本 一羊 代表

私たちは、今まで誰も経験したことがないスピードで、ドラスティックに社会が変化していく時代に仕事をしています。管理職にとって、自身が過去に経験したマネジメント手法では、多様な仕事への考え方をもつチームメンバーを束ねて、牽引していくことは困難になりつつあります。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大で出社回数が減り、在宅勤務も広まっていますが、新しい状況下で、管理職はメンバーのやる気を保つことに苦心しているのではないでしょうか。

社内であれば相手の表情やしぐさを見て判断できることがテレワークでは見えてこない。また、しっかりと仕事しているのか不安といった声を聞きます。今までとは同じ環境でないため、相手の行動に疑心暗鬼となり、より一層管理を強めたくなる、厳しい言葉を発してしまう、そのことに起因するパワハラも引き起こっています。

コロナ禍において、リーダーが、メンバーを動機づけるには、接し方や発する言葉が、ますます重要になっています。リモートであるが故に、いかに自律的に仕事に取り組んでもらうのかをより考える必要がありますが、本書では、管理職が使えるシンプルな会話例を紹介しています。

これは、医療の世界でエビデンスが蓄積され広まった、行動療法の一種である「動機づけ面接手法」という、対人コミュニケーションに関する理論をベースとし、ビジネス現場に導入され成果をだしてきた手法です。動機を相手の中から引き出し、強め、相手を会話の中心におきながら、ある方向に誘導していきます。

本書で特徴的な点をいくつか挙げると、アドバイスや解決策は提示しない、「開かれた質問」「聞き返し」という技を活用、チェンジトーク(自己動機づけ発言)を引き出す、ネガティブ発言を否定しない等です。

管理職が、この会話手法をマスターすれば、自らが常に管理できない環境でも、メンバーは自律的に行動し始めます。パワハラ防止、さらには、健康経営や働きがい改革にも役立ちますので、今後のマネジメントの指針になれば幸いです。

モチベートワーク総研

山本一羊 著
セルバ出版、1,500円+税

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