ホスピタリティ&グローイング・ジャパン
有本 均 代表取締役社長 グローイング・アカデミー 学長
空前の人不足が続く中、企業が「できる人財」を採用するのは困難になりました。そして今、サービス業界は二重の困難に直面しています。コロナ禍による経営難だけではなく、今後経済活動が本格的に再開すれば、より一層、人不足は深刻化します。だから今、「採用した人をできる人財に育てる」ことにこそ、活路があると考えます。
一方で、働く人の立場からすれば、「自分が成長できる場所(会社)で働きたい」、と多くの人が考えますし、だとすれば企業は「人が成長する場所(会社)」であるかどうかが重要です。本書は、こうした考えのもと、企業が「入った人全員を戦力として育てる」ための「仕組み化された人財育成」のメソッドを紹介しています。
「働き方改革」により、人財育成の重要性を理解しつつも、物理的に時間と労力を割きにくい企業も少なくありません。それでも重要性は変わらず、むしろますます重要になっているとも言えます。だからこそ、「仕組み化」によって最大の育成効果を上げたいと考えています。ただ研修を実施するだけではなく、それらを仕組み化して、教育と同時に評価をきちんとすることで、人は必ず成長します。
私自身のマクドナルドでの現場経験、ハンバーガー大学やユニクロ大学での教育・研修実績と、当社設立から8年間でお付き合いした約3000社のサービス業の経営者・人事担当者の声に基づき、教育と評価を仕組み化する方法、店長教育のポイント、評価の方法など、人財育成のノウハウを余すことなく解説し、「教育と評価」で会社が変わった3社、飲食店のダンダダン酒場を運営するNATTY SWANKY、自転車小売大手のあさひ、住宅塗装の三州ペイントのケーススタディも公開しています。
最終章では、人財育成のポイントをTIPS(ティップス)として、現場で困った際に確認しやすいようにまとめました。
本書はどの業種・業態の方にも活用いただける手法を紹介しています。経営者、人事担当者など、アルバイトや部下の教育に悩むビジネスパーソンに広く読んでいただきたい一冊です。
有本均 著
ダイヤモンド社、1,500円+税