アドバンスフューチャー
池田 秀樹 代表取締役社長
近年、食品業界ではチルド、冷凍などの加工食品の販売が非常に伸びています。また、高齢化に伴って健康・美容分野への参入も目立ち、利益率が高い商品の開発を各社は強化しています。さらに日本食人気でインバウンド需要の恩恵も大きく受けています。
堅調な業績を背景に各社の採用意欲は高く、特に新卒採用に苦労している中堅・中小企業間の中途採用競争は激しくなっています。以前はハローワークや求人広告中心だった地方企業から人材紹介の依頼を受けることも増加しています。
ビジネス系職種では営業職の求人が圧倒的に多く、量販店やコンビニへ販路を築いて売り上げを作ることができる人材を求めています。専門職種では高付加価値分野を強化するための商品開発、品質・生産管理を担える人材のニーズが強いです。中堅企業では商品開発担当者が兼ねていることも多いマーケティング職を分離し、専任者を採用するケースも出てきました。
一方、求職者は営業職の割合が高く、異業界から食品業界への転職を希望する方も目立ちますが、業界未経験者まで採用対象を広げる企業は少なく、近い業界で実績を上げている方であれば候補になり得るというのが現状です。そして、地方から地方への転職が比較的多いのもこの業界の特徴です。
高度な研究開発人材は転職市場にはほとんど出てきませんので、当社では転職潜在層に対するスカウトを行っています。
人材需要は高水準であるもののピンポイントの即戦力採用が中心で、同業他社との採用競争は激しいため、求職者の応募喚起につながる工夫がこれまで以上に重要です。
まずは人材紹介会社とのコミュニケーションを密にし、採用条件に合致する人材が現れたら優先的に紹介してもらえるように関係を強化する必要があります。また、働き方改革で残業時間、職場環境や福利厚生などを重視する求職者が増えており、就業規則が整備されていない企業は採用に影響しますので見直しが急務でしょう。