【地方企業(東北)の中途採用】即戦力人材を求める“ 厳選採用”で、募集期間が長期化するケースも

ヒューレックス
神谷 貴宏 専務取締役

東北は有効求人倍率が1991年8月以来、24年ぶりの最高水準にあります。復興需要が続く宮城・福島を中心に、岩手・山形で特に人手不足感が強くなっています。全域で建設業や製造業の求人が増加、宮城では企業進出や経済活動の活発化に伴ってITやサービス分野の求人が急増しています。

知名度や給与水準の面で有利な大手企業の求人が増えた影響から、一部の企業に応募が集中し、それ以外の企業が採用に苦戦するという傾向が見られます。

一方、企業の選考基準は下がっておらず、業界経験等がある即戦力人材を求める“厳選採用”のままであるため、なかなか思い通りの採用ができずに募集期間が長期化するケースが多くなっているようです。

求職者の動向は、全体的に求職者数が減少気味であり、特に20代から30代前半の若年層の動きが鈍くなっています。ただし、震災以降の地方回帰の風潮のなかで、首都圏に住むU・I・Jターン希望者からの相談が多くなってきました。

このなかには知識や経験が磨かれている人材も多いため、これらの層へ情報発信し、採用・入社に繋げる戦略を持つことが必要です。

最近の傾向を踏まえ、地方で採用競争に勝ち抜くポイントは三つあります。一つ目は、「自社の魅力をしっかり伝える」。自社の良さを伝えきれず、数多くの求人のなかに埋もれてしまう会社が少なくありません。他社との差別化を意識し、求職者に分かりやすい情報と心に響くメッセージを発信していくことが大切です。

二つ目は「選考のスピードアップ」。優秀な人材はすぐに複数の内定を獲得し、採用されてしまいます。そのため、Uターン希望者の場合は東京まで面接に出向く、1日で複数回の面接を実施する等、スピーディな対応が不可欠です。

三つ目は「業界経験だけに囚われない」。過去の経験が活きることもありますが、地方では逆に固定観念を生んでしまって入社後に周りに馴染まないケースもあります。入社後の育成も視野に入れ、自社の社風との相性を重視して選考を進めることが重要です。

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