【著者が語る】新興国進出のためのグローバル組織・人材マネジメント

アクセンチュア

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杉村 知哉 統括エグゼクティブ・パートナー

新興国が生産拠点から販売拠点へとシフトする中、日本人・現地人材の双方について、必要とされる人材要件は大きく変化しています。未知のマーケットで未知の人材を大量に活用し、さらに育成するには、勘や経験だけに基づくマネジメントから脱却し、客観データに基づく施策の決定、進捗の把握を行うことが望まれるでしょう。

これまで日本企業は、対象者を先に決め、適切と思われるポジションを探す、あるいは適切なポジションがない場合には新たなポジションを作るなど、まず“人”ありきで配置が考えられていました。

これに対し、グローバル化に成功している企業の多くは、事業・ビジネスの成長に軸足を置き、既存のあらゆる人材を候補として、ポジションの要件に合致する人材を当てはめる“ポジション”優先の人材マネジメントを取り入れています。

では、採用の次にグローバルリーダーをどう育成したらよいか。それには、役割を明確化し、役割に応じた育成方法があります。確実に育てるためには、一気通貫のプログラムが必要です。

さらに言えば、人事部門もグローバルリーダーを育成できるよう変革も必要かもしれません。現地企業を買収すれば、カルチャー統合のシナリオも必要です。

本書では、こうした新興国市場での事業戦略の実現に向けた組織・人材マネジメントの在り方について、事例を盛り込んで実践的に紹介しています。

人事部の役割に特化した組織・人材マネジメントではなく、経営の側面に軸足を置いた課題解決法について視点を変えていただければと思います。

日本らしさ、自社らしさをカスタマイズした組織・人材のマネジメントモデルを構築し、世界でさらに活躍する日本企業が増えていくことを強く願っています。

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杉村知哉 著
東洋経済新報社、2520円

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