実績豊富なコンサルタントが経営層の人材を国内外から探し出す~エグゼクティブ採用の課題(2)【リクルートエグゼクティブエージェント】

2001年の創業から2500人以上の経営層・エグゼクティブ層の紹介を行ってきたリクルートエグゼクティブエージェント。同社は今、国内外のトップリテーナーファーム出身のメンバーを新たに加え、リテーナーサーチの体制を強化している。サーチコンサルタントの中村一正氏と坂本正明氏に、同社の特長や外資系サーチファームとの違いなどを聞いた。

リクルートエグゼクティブエージェント

リクルートエグゼクティブエージェント
中村 一正 シニアディレクター

1984年野村證券入社、中堅企業営業及び社員研修の企画運営に従事。その後外資系生保会社へ転じ、組織拡大と生産性向上に尽力。退職時は同社最大の直販部隊のヘッド。2001年以降、日系大手サーチファーム、08年外資最大手サーチファーム、10年5月からリクルートエグゼクティブエージェントに参画と一貫してエグゼクティブサーチ業界。小売・サービス、消費財、ヘルスケア等業種的にも、またオーナー系中堅成長企業から大企業及びファンド投資先まで広範囲に対応。

リクルートエグゼクティブエージェント

リクルートエグゼクティブエージェント
坂本 正明 ディレクター

1991年ベイン・アンド・カンパニー入社。日・韓・米・メキシコオフィスで経営戦略コンサルティングに従事。UCLAでMBA取得後、アクセンチュア入社。コンサルティングのみならず、自社の提携・投資、新規事業立上げに関わった後、産業再生機構を経て2005年からエグゼクティブサーチ業界へ。コーン・フェリー・インターナショナルにてテクノロジー、プロフェッショナルサービス、投資業界をメインに幅広く担当。人材アセスメントなども手掛ける。12年からリクルートエグゼクティブエージェントに参画。

どのような理由からリテーナーサーチの依頼が増えているのでしょうか。

【坂本】
グローバルな経営環境の変化に自社のリソースだけでは対応できなくなっている企業では、外部から経験知を取り入れて、内部のリソースと組み合わせることで自前のものにしていくニーズが顕在化しています。そのため、海外現地法人のCOO経験者など、50歳前後のシニアレベルの採用ニーズが高まっています。

また、外資系企業が日本に進出する際のカントリーマネジャーを採用する案件も増えています。外資系企業の採用では、従来は外資系のサーチファームや英語をネイティブで話す個人エージェントのつてを頼るといったケースが多かったように思います。しかし、日本市場をよく理解した人材を探すには、幅広く候補者に当たっていく必要があり、他方、多くの個人エージェントでは日本の人材市場を十分にカバーできていないことから、当社に声が掛かるようになっています。

海外ビジネスを担う人材の確保は喫緊の課題

●企業の海外展開の課題

リクルートエグゼクティブエージェント
(出所)日本貿易振興機構「2013年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」

社外取締役制度の導入で人材を探している企業も増えていると聞きます。

【中村】
来年の株主総会から、社外取締役を導入していない企業はその理由を質されることが分かっています。一例として、著名な消費財メーカーから、2月に依頼を受けましたが、事業部門の経験者を紹介してほしいということでした。その企業の狙いは企業価値を高めるためでしたから、社外取締役を導入することで、新しい視点を取り入れて事業を革新していきたいという趣旨はよく理解できました。

ただ、多くの企業が事業部門で豊かな経験を持つ人材を社外取締役に迎え入れたいと考えていますので、これからますます人材獲得の競争が激しくなることが分かっていました。そこで、最適な人材を探し出すためにリテーナーサーチを提案し、5月に無事完了することができました。

社外取締役を導入している上場企業が7割を超えた

●社外取締役人数の内訳(東証1部)

リクルートエグゼクティブエージェント
(出所)東京証券取引所「東証上場会社における社外取締役の選任状況」※6月16日の集計時点

●社外取締役を新規導入した主な上場会社

リクルートエグゼクティブエージェント

リテーナーサーチの進め方を教えてください。

【中村】
クライアントから依頼を受けたら、まず候補者として可能性のある人材がどこにいるかの仮説を立てます。サーチの対象は取締役までなのか、執行役員までなのか、それとも事業部長までなのか設定し、周辺の領域まで含めて探す必要があるのかも決めます。そして仮設に沿って20〜30人ぐらいをリストアップし、クライアントの経営課題を解決できる人材として可能性が高い順番に本人に当たっていくという流れです。これは極めてオーソドックスな方法だと思います。

すでにある自分のネットワークの中からとりあえずこの人だけに当たってみようというようなことは一切やりません。自分の人脈だけに頼っていると最適な候補者を見落としてしまいますので、クライアントからの依頼ごとに必ず仮説を立てて一からリストアップします。

最近の事例ですが、電子部品商社のアジア現地法人の責任者や食品メーカーの海外事業責任者を探し出しました。どちらも事業展開のキーマンとなる存在です。「いい人がいれば採ろう」というレベルであればリテーナーサーチを使ってまで採用する必要はないと思いますが、トップダウンで「このポジションにはどうしても業界トップクラスの人材が必要」という強いニーズが、リテーナーサーチの増加につながっています。

候補者にはどのように接触しているのですか。

【中村】
エグゼクティブは皆忙しい方ばかりですが、リクルートの名前を出すと8割程度は会っていただけますね。そして「あなたの業務領域で一番大切なことは何ですか」といったような質問をして返ってくる話をうかがえば、クライアントのニーズにマッチするか、大抵は分かります。また、お会いした方から同じ領域で活躍している候補者を教えていただくこともよくあります。

こうして最終候補者を絞り込み、「クライアントの社長に是非お会いになってみませんか」と提案するわけです。後は相性、採用と転職双方の目的、処遇などの条件の順番でずれがないか確認します。採用後の活躍につなげるには、この全てを的確に確認することがとても大切です。

リテーナーサーチの場合、候補者に転職希望があるわけではないので、候補者の方と深い信頼関係を構築できるかが大切だと考えています。そう心がけることで、その方が転職先で人材を採用する必要が生じた際に、私を思い出して依頼していただくことも多く、一度お会いした方とは長いお付き合いが続いています。

【坂本】
最近の私の担当案件のほとんどは、語学力があり、新しい環境にアジャストする難しさを知っている経験者というものですから、そういった属性の候補者リストはどこのファームも大体同じです。ではどの部分で当社は差別化しているかというと、私たちは直接海外に行って、日本企業の拠点で活躍している人材を探し出しています。数年前からこうした取り組みに投資してきたことで、日本人のグローバル人材とのネットワークができています。

このように現地にまでコンサルタントが直接会いにいくという動き方は外資系のサーチファームなどでは考えられませんので、彼らのサーチに引っかからないような候補者を探し出せるのです。これは私自身、当社に転じて一番驚いたことです。

日本企業では海外拠点に一定期間赴任した人材を日本に戻す際に、海外経験が活かされないポジションに就かされるケースがあります。私たちはこうした人材と現地赴任の時からリレーションができているので、海外経験を求めるクライアントが増えることによって、これまでのキャリアをより活かしていただける機会が増加しています。

●リクルートエグゼクティブエージェント リテーナーサーチサービスの競争優位

リクルートエグゼクティブエージェント

その他に、以前在籍されていた外資系サーチファームとの違いはありますか。

【坂本】
外資系の大手サーチファームは、どこも似たようなところがあると思いますが、多国籍企業とのグローバルな関係の一部として対応しますので、日本オフィスが独自に求人企業を開拓するという動きは活発ではありませんでした。そして、コンサルタントが担当する業界も明確に決まっています。一方、当社では私は専門のIT業界が主担当ではありますが、例えば外資系企業の経験者を求める日本企業や外資系の日本法人からの依頼に対しては、前職の外資系ファームでの経験を活かして業界を越えて担当することもあります。

実はこれまで当社は外資系があまり得意ではなかったのですが、国内外のトップリテーナーファーム出身のメンバーが加わったことで、これまで以上にさまざまな分野で人材サーチが行える体制になっています。また、外資系サーチファームの日本オフィスはリソースが限られているため、一部では中国にコンタクトセンターをおいて電話で候補者の開拓を行うファームもありますが、あまりうまく機能していないという話も聞きます。

それならば、30人以上のコンサルタントと専属のリサーチャーがいて、リクルートのネットワークが活用でき、日本の人材マーケットでブランドや信頼感がある当社は候補者を探し出す上で優位性を持っているだろうと感じていただけるようになってきたと思います。

改めて貴社の強みはどういったところにあると考えていますか。

【中村】
成功報酬型の人材紹介は、基本的に転職の意思がある候補者のデータベースからの紹介ですのでスピーディーな採用が可能ですが、必ずしも条件に見合う人材がデータベースにいるとは限りません。一方、リテーナーサーチは企業の依頼を受けてから転職希望の有無を問わず条件に最適な候補者を探し出すというプロセスと依頼に必ず応えるというコミットメントが特徴です。

採用しようとする人材に応じた最適な手法の見極めが大切ですが、成功報酬型とリテーナー型のどちらも手掛けている当社は、クライアントが必要とする人材に応じた採用手法の提案から人材の紹介までができるという強みを持っています。

【坂本】
実績豊富なコンサルタントがそろっていますので、企業が必要としている経営層の人材を国内外から探し出すための知見やネットワークは、他のサーチファームに比べてかなり充実したものがあると自負しています。クライアントの人材戦略に深く関わる質の高いリテーナーサーチによって、エグゼクティブ採用の課題解決に貢献していきたいと考えています。

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