【M&A分野の中途採用】M&A仲介領域は、中小企業の譲渡・売却相談の急増で積極採用に拍車

日本人材ニュース

ソーシング・ブラザーズ
渡邊 祥太郎 取締役

新型コロナウイルスによるパンデミックは引き続き日本経済に大きな影響を与えている状況です。M&A分野において、FASやM&Aアドバイザリーファームについてはコロナ以降、経験者採用に重点を置いている状況に中々変化は見られませんが、M&A仲介領域については積極的な採用姿勢を見せています。

コロナの影響を受けて、中小企業の経営者が潜在的に抱えていた既存のビジネスモデル終焉や業界の先行き不安が顕在化し、会社の譲渡や売却を考えるきっかけとなり、M&Aの相談が急増しているという背景が採用に拍車をかけているようです。

M&A仲介領域では、経験者採用だけではなくポテンシャル(未経験)採用が求人の9割以上を占めています。数年前までは、銀行・証券といった金融機関出身者のみが応募できる環境でしたが、足下はメーカー・商社・MR・中小企業向けコンサルといった多岐に渡るインダストリーからの採用も増加傾向にあります。

依然として、財務・会計知識は入社前に求められているものの、それを上回る法人営業経験や実績、経営者向けのコンサルティング経験があれば、企業側のスタンスとして積極的に選考を進めている印象を強く受けています。

注目すべきは設立数年のベンチャーM&Aブティックも採用にアクセルを踏んでおり、自社の特徴や競合優位性を選考フローで伝えていくことで、優秀層の確保に努めているようです。かつては大手ブティックに一極集中していた状況に、徐々に変化が見られます。

コロナによりWeb面接の実施が増えてきていますが、仕事柄経営者向けの営業や上場企業、投資ファンド経営陣との折衝、交渉等の仕事が中心となるため、最終フェーズでの面接は対面で人間性やクロージング力を推し量る形式が大半を占めています。

多くの業界がコロナの打撃を受ける中、M&A仲介マーケットは急激に成長しています。今後ますます優秀な人材の確保競争が進むと共に、他社との差別化や自社のコンセプト、ビジョンの明確化が不可欠になりそうです。

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