【ミドルシニアの中途採用】対応の緊急性が高い要件でミドルシニアの豊富な経験が求められる傾向

ワクティブ
小村 祐司 代表取締役社長

高齢者雇用安定法の改正で、70歳までの雇用が努力義務となりました。ただし企業がすべての社員を70歳まで抱えることは難しく、ミドルシニア世代をターゲットとした再就職支援や独立・フリーランスの推進など出口戦略を構築し流動性を高めています。

一方で個人の観点においても、平均寿命の延伸や年金受給開始年齢の引き上げにより、「長くいきいきと働く」前提でキャリア形成を考え、ミドルシニア世代が自ら仕事を変える必然性が高くなってきています。

では、ミドルシニアの転職は可能なのでしょうか。ミドルシニア専門の当社独自調査によると、人材紹介会社に寄せられる求人のうち50代以上が活躍中の求人は15%程度です。

医療・介護系や施工管理などの労働集約的な職種は以前から年齢に関係なく採用ニーズがありましたが、ホワイトカラーのミドルシニア採用はまだまだ少ないと感じています。ただし、ミドルシニアのホワイトカラー採用に積極的な企業があるのも事実で、これは業界特性というよりは個別の募集背景や経営者の採用に関する考え方が影響しているように感じています。

例えば当社の取引先で、60歳を超えてから採用された方が役員を担うまで活躍されたケースがあり、成功事例として社内で共有されたため、優秀な人材の獲得には年齢は関係ないという考え方が定着しました。また、新規事業の立上げなどで社内にないスキルが必要な場合や、情報セキュリティの強化など、対応の緊急性が高い要件などはミドルシニアの豊富な経験が求められる傾向にあります。

企業のミドルシニアに対する期待としては、豊富な経験が現社員に刺激を与え、新たな価値を生み出すこと、そして常に成長するマインドを持ち続けてもらうことです。優秀な人材の獲得競争が激しくなる中、戦略的にミドルシニア採用を検討する企業が増えてきています。

一方ミスマッチが発生した時の影響も大きいので、入社前に「いかに相互理解を深めるか」が成功のポイントとなります。

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