【著者が語る】超ジョブ型人事革命

フォー・ノーツ
西尾 太 代表取締役社長

コロナ禍と前後して、日本の「人事」の変革が叫ばれています。「テレワーク」「ジョブ型雇用」「DX」「副業」「SDGs」など、変革のキーワードが盛りだくさんです。この流れは、ある種必然であり、変革は必要です。しかし、私はこの流れに対して「またあの時と同じ失敗をしてしまうのではないか」という危機感を強く持っています。

「あの時」とは、バブル崩壊後の成果主義やリストラの横行です。バブル後の人事の変革は、その多くが失敗に終わりました。成果主義や、職務主義という現在のジョブ型も頓挫しています。リストラが進み、その結果、日本は世界で最も「自分が働いている企業を信頼していない」国の一つになってしまいました。当時の失敗は今に至るまで大きな傷跡として残っています。

なぜ失敗したのか。それは「欧米ではそうしているから」「他社が導入しようとしているから」といった理由で安易に成果主義やジョブ型などの「やり方」を取り入れてしまったからです。「あれは失敗だったよね」では許されない、失敗が中長期的なダメージを企業に与えるのが「人事」の領域です。

「やり方」の前に「考え方」が大事なのです。「人事」で成功している会社は、人に対する「考え方」をしっかりと持っています。その「考え方」の元で、適切な「やり方」を十分に吟味した上で導入します。人事の変革の時代に、「考え方」をしっかり持ち、軸をはっきりとさせた企業が成功するのです。「人事」が企業の成長の鍵を握るといっても過言ではないでしょう。

本書では、様々な変化の流れに対して、「人事」で成功するために、どのような考え方を持つべきかを「ジョブ型」「テレワーク」「雇用契約」「AI・RPA」「高齢者」「副業」「労務リスク」「SDGs」などのそれぞれについて、どう考えて、どう施策に展開していくべきなのかを示し、また、これから「人事」そのものがどうなっていくべきなのかを様々な角度から考えています。ぜひ一読いただき、企業成長に役立てていただきたいと願っています。

西尾太 著
日経BP、税込1,980円

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