【著者が語る】AIを使う人事 AIに使われる人事

ZENKIGEN
石丸 晋平
リレーショナル・アナリティクス部 兼 インキュベーション部 部長

 AIはあらゆる経済、社会、産業に関わるテクノロジーであり「AIが人の仕事を奪う」という物語が現実味を帯びてきました。無用者階級(社会に参加できない大人たち)の増加の危機が高まり、大きな不安となっています。いったい、誰がそんな未来を望んでいるのでしょうか。

 テクノロジー共存時代に私たち大人はどのように生きていけばいいのか、その答えの一端は企業の人事システムにあります。個人が能力を発揮できる社会を実現するために、人事が人間を中心としたデジタルトランスフォーメーションを完成させることで、漠然とした不安から解放され、未来をより明るいものにできるはずです。

 20世紀における企業の行動原理は、エコノミー(経済性)重視で、いかに経済成長を実現できるかが問われた時代。21世紀は、エコノミーに加えてテクノロジー(技術)とソーシャル(社会性)を統合した複合原理が大前提となる時代へと変化。経済界ではESG投資やSDGsなどの新たな行動原理にシフトした会社が投資対象となり、社会的存在意義を認められるように。さらに、2020年にはパンデミックで労働環境が一変するとともに、孤独や職場でのうつ病が問題化しました。

 働くことのあり方が岐路に立たされている今、人事は組織や目標を管理するのではなく、人と人との関係性構築を支援することが求められています。その実現のために、過去からの連続性による学びや判断からの脱却が必要です。社会実装が進むAIなどのテクノロジーを活用し、個人の自立を促し健全なる社会の発展に貢献することが、これからの人事の役割。HRは「Human Resources」から「Human Relationships」へ変化する時なのです。

 「今の社会をつくり、未来に紡ぐ」という尊い仕事と役割は、働く大人が担っています。テクノロジー共存時代に、私たちが気付き前向きになることで、未来はより明るいものになります。

 企業を取り巻く環境の変化について人事を軸にして解説していますが、すべての働く人たちに読んでいただきたい1冊です。

石丸晋平 著
ディスカヴァービジネスパブリッシング、税込1,650円

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