人材育成

【著者が語る】「答えを教えない」インバスケット教育法

インバスケット研究所
鳥原 隆志 代表取締役

今、実践的な教育を求める企業が増えています。これがインバスケット手法を採用する企業が増えている大きな要因なのでしょう。

私が初めての著書である「インバスケット思考」を刊行したのが10年前でした。そこからインバスケットは従来の管理職や幹部のアセスメントだけではなく、特に教育分野において様々な階層、年齢、職種に広がりました。

この広がりの背景は今までの「答えを教える教え方」から「答えを教えない教え方」へ時代が変化したからでしょう。

わかりやすくお伝えするとマニュアルや前例などの知識を詰め込む教育から、どのような環境でも自分自身で考えて答えを導き出せるようにする実践型の教育に変わったということです。

しかし、教える側は従来通り「答え」を教える方法しか知りません。インバスケット教育と言われる研修を目にしたとき、講師が答えを用意して、正解として伝えている光景に憤りさえ感じました。それはインバスケット教育ではなかったからです。

よくよく考えると今まで答えを教えてきた人間が、いきなり答えを教えてはいけないと言われるわけですから戸惑うのも無理はありません。実際にインバスケットの教え方について相談される方は年々増えていました。

皆さんがインバスケット教育法を取り入れる際に難しいとおっしゃるのはインバスケットの教え方の勘所である「答えを教えない」ことです。

実はインバスケットを学ぶ本は50冊以上書かせていただきましたが、インバスケットを教える方向けの本はまだなかったのです。空腹の人に食べ物を与えても一時的であり、大事なのは食べ物を得る方法を教えることである、というお話があります。

しかし、私たちは部下教育でついつい答えを教えてしまっているのではないでしょうか。本当の教育とは部下がその答えを導き出す方法を教えることです。本書はその教え方を解説し、実際に付属の問題で部下教育ができる流れも書かせていただいています。答えを教えない教え方で、今まで教えることのできなかった皆さんが抱えている問題を解決できればと願っています。

鳥原隆志 著
WAVE出版 1,500円+税

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY

ピックアップ

PAGE TOP