連合(日本労働組合総連合会)が実施した「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」によると、配偶者がいる人のうち、学校卒業後に就いた初職が“正規雇用”の人は63.6%、“非正規雇用”の人は34.1%となっていることが明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
全回答者(1000人)に、初職(学校卒業後に初めて就いた仕事)の雇用形態を聞いたところ、「正規雇用(計)」は52.7%、「非正規雇用(計)」は46.1%だった。
配偶者(事実婚・同性パートナーを含む、以下同様)の有無を初職の雇用形態別にみると、正規雇用だった人では「いる」が63.6%、「いない」が36.4%となり、非正規雇用だった人では「いる」が34.1%、「いない」が65.9%と、初職の雇用形態で配偶者がいる人の割合に大きな差がみられた。
また、子の有無を初職の雇用形態別にみると、正規雇用だった人では「いる」が57.7%、「いない」が42.3%となり、非正規雇用だった人では「いる」が33.2%、「いない」が66.8%と、子がいる人の割合でも初職の雇用形態で大きな差がみられた。
全回答者(1000人)に、今の就業形態(非正規雇用)を選んだ理由を聞くと、「ある程度労働時間・労働日を選べるから」が最も多く39.0%、次いで、「通勤時間が短いから」が24.5%、「家事に時間が必要だから」が20.4%となった。
【今の就業形態を選んだ理由トップ5】(複数回答)
1位 ある程度労働時間・労働日を選べるから 39.0%
2位 通勤時間が短いから 24.5%
3位 家事に時間が必要だから 20.4%
4位 正社員の働き方は過酷だから 15.9%
5位 育児や介護に時間が必要だから 14.8%
配偶者・子の有無別にみると、「家事に時間が必要だから」や「育児や介護に時間が必要だから」では配偶者や子がいる人のほうが高く、「就業調整(年収や労働時間の調整)をしたいから」でも配偶者がいる人のほうが高い傾向があった。
この要因について連合では、「固定的性別役割分担による家庭的責任の偏りの影響がうかがえる」と指摘する。
雇用形態別にみると、派遣社員、パートタイマー、アルバイトでは「ある程度労働時間・労働日を選べるから」が最も高くなったが、有期契約・嘱託社員では「正社員・正規職員として働けるところがなかったから」が31.5%で最も高く、全体(11.4%)と比べて20.1ポイント高かった。
また、週の労働時間別にみると、35時間未満の人では「家事に時間が必要だから」(27.8%)や「育児や介護に時間が必要だから」(18.5%)が高く、一方、35時間以上の人では「正社員・正規職員として働けるところがなかったから」が19.4%となり、35時間未満の人(6.5%)より12.9ポイント高かった。
全回答者(1000人)に、個人年収を聞いたところ、「100万円未満」が31.1%、「100~199万円」が35.0%、「200~299万円」が25.5%、「300万円以上」が8.4%となり、平均は167.9万円だった。
雇用形態別にみると、有期契約・嘱託社員と派遣社員では「200~299万円」(それぞれ52.8%、55.7)が最多回答となり、平均は有期契約・嘱託社員が268.0万円、派遣社員が255.2万円となった。
一方、パートタイマーとアルバイトでは「100~199万円」(それぞれ40.7%、36.8%)が最多回答で、平均はパートタイマーが137.3万円、アルバイトが152.3万円だった。
また、主な家計収入別にみると、主な家計収入が“自分の勤労収入”という人では平均は 214.2万円となり、週の労働時間別にみると、フルタイム(週40時間以上)の人では平均は250.6万円となった。
調査は、2022年2月8日~10日、全国の非正規雇用(有期契約社員・嘱託社員、臨時・非常勤公務
員、派遣社員、パートタイマー、アルバイト)で働く20歳~59歳の女性を対象にインターネットで実施し、1000人の有効サンプルを集計した。
(回答者の雇用形態内訳は「パートタイマー」が60.0%、「アルバイト」が17.4%、「派遣社員」が11.5%、「有期契約社員・嘱託社員」が8.9%、「臨時・非常勤公務員」が2.2%)
※調査では、「配偶者がいる人」500サンプル、「配偶者がいない人」500サンプルと均等になるように割り付けて回収をした。