【経理・財務職の中途採用(外資系企業)】過去最高の採用数となる見込み、ミドル以上の採用で日系企業とも競合

経理・財務職の中途採用

ジェイ エイ シー リクルートメント
黒澤 敏浩 事業推進部 プリンシパルアナリスト

経理・財務分野での外資系企業による日本での採用は、2021年から活発化しています。2020年は欧米各国がコロナ急拡大ショックを受け、外資系企業の日本での採用活動も低調でした。対して2021年初頭からは「withコロナ」として平常の採用活動に変わってきています。

結果、2021年にはコロナ前の景気ピークであった2018年と同水準で採用活動が活発に行われており、2022年には過去最高の採用数となる見込みです。

年収800万円超の採用も勢いを急速に増しており、2022年は外資系企業ではコロナ前を大きく上回る勢い、採用競合に当たる日系企業ではコロナ前の2倍近くにもなる勢いです。

日系企業での経理・財務職の40歳代の採用が、2021年通年では7年前の4倍近くに、さらに50歳代は5倍に増加しています。ミドル以上を採用する際の「採用競合」が増えています。

制度・財務会計分野の採用はいつもどおり活発ですが、並行して、ファイナンシャルコントローラーなどの管理会計分野の採用も活発になっています。

働き方の面では、以前は極めてニッチな存在であった「リモート勤務」「フルリモート勤務」希望が、コロナ禍以降、普通の選択肢・転職ニーズの一つになってきているのも特徴です。柔軟な姿勢を示すようになった企業も多く、勤務場所の柔軟性は企業にとって検討課題の一つです。

スタートアップの採用動向も注目です。足元の動向は不安定ですが、近年のトレンドとして、潤沢な資金調達を背景にスタートアップ企業における提示年収が上昇しています。

日系スタートアップでは管理部門責任者の採用が活発で、2022年は日系全体でも、管理部門責任者の採用はコロナ前の2倍を超える勢いです。やはり採用競合の増加に注意が必要です。

オンライン面接の普及により、対面で面接をしていた頃に比べて日程調整が容易になり、結果的に選考スピードが速くなっています。いつの間にか自社だけ対応が遅いといったことになっていないか、見直すことも必要です。

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