バランスト・グロース・コンサルティング
西田 徹 取締役
【PROFILE】京都大学農学部農芸化学科(学士&修士)にて遺伝子組み替えを研究。リクルート入社。組織活性化研究所にて組織文化サーベイの開発にたずさわる。ニューヨーク大学経営学修士を経てボストン・コンサルティング・グループ入社。経営戦略、組織戦略等のコンサルティングを担当。その後、カレン等を経て現職。マーケティング、経営戦略、ロジカルシンキング、ファシリテーション、コーチングなどを研修テーマとする。売上高約1兆円の米国系グローバル企業C社の上級リーダー研修を、アジア人初の認定トレーナーとして、ニューヨーク、韓国、台湾、上海などで実施(言語は英語)
バランスト・グロース・コンサルティング
山碕 学 取締役
【PROFILE】大阪府立八尾高等学校、京都工芸繊維大学工芸学部生産機械工学科卒業後、ベンチャー系コンサルティングファームにてSCMコンサルタントに従事。中堅・中小企業経営者の経営課題解決支援として、物流プロセス変革、共同物流企画から物流システムの導入までを一貫して取り組む。2004年よりプロセスコンサルティング・ファームの事業変革/営業変革コンサルタントおよびエグゼクティブコーチとして、大手製造業・サービス業(売上40億円~1兆6000億円企業)向けに12社/16事業/29プロジェクトに携わる。これらのプロジェクトにおいて、経営者が求める課題解決支援、経営者育成を実施。2017年バランスト・グロース・コンサルティングに参画。次世代経営者・リーダー育成や実績直結型チーム・ビルディングに取り組んでいる。少年期と20代、2度の倒産を体験し、生き残り・生き勝つための経営力強化や経営者育成に情熱を注いでいる。
狭義の組織開発では組織やリーダーは変われない
組織開発の重要性については人事部の皆様はよくご存じでしょう。著者の一人である西田は1988年に、リクルートにて先進的な組織開発に出会いました。具体的には、360度のサーベイを活用したリーダー教育、組織サーベイをきっかけにしたワークショップです。
最初はリーダーは目を輝かし始め、チームには活力がみなぎりますが、数カ月後にはもとに戻ってしまうのが通例でした。今なら原因がわかります。外部環境の変化に伴う戦略の修正などを組織開発と一緒に行わない限り、変革は起きないのです。
優れた戦略を外から与えても組織はそれを実行しない
手っ取り早い方法を思いつく方もおられるでしょう。著名な戦略コンサルティングファームに依頼して優れた戦略を作ってもらい、それをわが社の現場メンバーに実行させれば良さそうです。ところがこれもうまくいきません。外から与えた優れた処方箋が、机の引き出しに眠って実行されない場面は頻繁に見られます。
3つの理由、あえて絞ると「内発的動機付けによる戦略的組織開発」がカギ
では、どうすればよいのか。限られた誌面であることを考えると、この本の中から内発的動機付けと、動機付けされた現場メンバーによる戦略構築・実行についてお伝えしたいと思います。VUCA時代の不安定で複雑で先が読めない状況において、新しい試みを外発的に動機付けされてもやりたくないのが現場メンバーの本音です。
唯一の道筋は彼らに「このままではまずい」という危機感と、「自分たちにはチャンスがある!」という希望の両方を持ってもらうこと、すなわち内発的動機付けをすることです。
内発的に動機付けされた現場メンバーは自発的に戦略を考え始めます。その出来は、もしかしたら100点満点での60点かもしれません。一方で自分たちの中から出てきた戦略は実行されます。実行に移せば、長所や短所があらわになり、戦略の出来は徐々に70点、80点、90点へとあがっていきます。そして組織は変革をとげるのです。
西田徹 山碕学 著
松村憲 監修
日本能率協会マネジメントセンター
2,600円+税