【著者が語る】コーチング思考

コーチビジネス研究所 五十嵐 久 代表取締役
Photo: 西畑孝則

コーチビジネス研究所
五十嵐 久 代表取締役

【PROFILE】公的な中小企業支援機関を経て、2014年コーチビジネス研究所設立し代表に就任。永年にわたり中小企業診断士として経営のご相談、資金調達支援、起業支援、再生支援等に従事、2005年に認定コーチとなり、以後エグゼクティブコーチとして活動。2019年日本エグゼクティブコーチ協会会長就任。 支援企業は3,000社、コーチング実績は、10,000時間を超える。経済産業省、内閣府、東京都中小企業振興公社、東京商工会議所、中小企業診断協会、淑徳大学、航空大学校、中学校その他団体・企業にて研修・講演実績多数。

「あなたが社員の成長のために働いている割合は全体の何%くらいですか」

ピーター・ドラッカーがその著『現代の経営』の中でこう書いたのは1954年ですが、今こそ、この言葉の意味を噛みしめるべき時かもしれません。経営者やリーダーの皆さんは、誰もが組織の成長を願っていると思います。しかし、そこに働く者の幸せや成長を真に願っているリーダーはどれくらいいるかと問われたらどうでしょうか。

本書では、人を幸せにする企業が最も幸せになる「幸せ創造企業」を創るうえでのリーダーの在り方についてお伝えしています。真に社員やメンバーの幸せや成長のために仕事をしている組織には、人も集まります。

対立と分断、急速なテクノロジーの進化、ジェンダー不平等問題など、さまざまな社会課題に対峙する中で、これまで当たり前とされていた前提や価値観が揺らぎ、先行きが見通せないことへの不安や怖れが高まってきています。

このような時代にあって、これから求められるリーダーシップの在り方は、「調和型リーダーシップ」であると考えています。これまでの考え方ややり方を越えて新たな道を探るためには「異質の調和」が鍵を握っています。多様な価値観を出しあって、強制でも妥協でもない、新たな第三の価値を探るような働きかけです。

社内に対立する意見があれば、多様性を前提に、それぞれの意見の本質的な部分を見極め、融合させて新しい価値を創造していきます。

価値観が多様化していく今日、何より求められるのは、自分とは別の価値を認める姿勢です。ここに「コーチング思考」の大事なポイントがあります。

コーチングは単なる技術ではありません。コーチングの本質は、人間にとっての根源的な問いについて考えることです。

本書を通して、リーダーのみならず、一人でも多くの人に「コーチング思考」を持つことの大切さを感じて頂ければ幸甚です。そのことが成功する「幸せ創造企業」への一歩だと確信しています。

コーチング思考 五十嵐 久 コーチビジネス研究所 代表取締役

五十嵐久 著
マネジメント社
1,500円+税

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