【著者が語る】部下が自ら動きたくなるリーダーシップ

船坂 光弘 ザ・ホスピタリティチーム 代表取締役

ザ・ホスピタリティチーム
船坂 光弘 代表取締役

【PROFILE】ホテル業界で17年間にわたり現場からマネジメントまで幅広く経験。ウェディング部門支配人として業績改善プロジェクトを率い、前年287組から451組へと婚礼組数を伸ばし、全国ホテルウェディング売上増部門で日本一を達成した実績を持つ。2008年に独立し、ザ・ホスピタリティチーム株式会社を設立。「ホスピタリティで、すべての働く人に喜びと誇りが持てる社会をつくる」をミッションに掲げ、サービス業を中心に1,000社以上の経営支援、延べ2万人を超えるリーダー・社員育成に携わる。クライアントはホテル、旅館、百貨店、医療・介護、住宅、不動産、IT、製造業など多岐にわたり、現場に根ざした実践的アプローチと成果につながる手法は高い評価を得ている。ホスピタリティを単なる“おもてなし”を超えて、組織文化の中心に据えるべき考え方と再定義し、社員の幸福度と業績を同時に高めるメソッドを確立。ホスピタリティを企業運営に活かすパイオニアとして、多くの経営者から厚い信頼が寄せられている。

近年、人事部には現場の人間関係に起因する相談が絶えず寄せられています。ハラスメント、若手の離職、エンゲージメントの低下。制度を整えても改善が進まず、管理職研修を実施しても現場が変わらない。

この“歯がゆさ”こそが、人事の方々が最も強く抱えている課題ではないでしょうか。

私が研修やコンサルティングを通じて1000社以上の組織を見てきた中で、共通していることがあります。それは、組織の問題の多くは「上司と部下の関係の質」に端を発しているということです。

ダニエル・キム氏の「成功循環モデル」では、関係の質が思考の質、行動の質、そして結果の質へと影響すると示されていますが、まさに現場ではその通りのことが起きています。関係の質が低いチームでは、小さな誤解が衝突を生み、やがて大きなハラスメント問題や離職につながっていきます。

一方、関係の質が高いチームでは、心理的安全性が生まれ、メンバーが素直に意見を出し合い、自律的に動き始めます。評価制度より最も強い影響力を持つのは、日々の“関わり方”そのものです。にもかかわらず、この「関係の質」を高める方法は、これまで体系的に語られてきませんでした。

本書「部下が自ら動きたくなるリーダーシップ」では、この「関係の質」を高めるための具体的なプロセスを、ホスピタリティの視点をもとに体系化しました。

ホスピタリティというとサービス業の文脈と思われがちですが、本質は“相手の視点に立ち、信頼関係を築く思考技術”です。これは業界を問わず、すべての組織に必要なマネジメントの基盤であり、管理職が最初に身につけるべき能力だと考えています。

本書で紹介している5つのステップは、関係の質を高め、メンバーが自ら動き出す組織をつくるための実践モデルです。「現場が変わらない」という悩みに対し、関係の質という土台からアプローチすることで、ハラスメントや離職などの構造的な問題を根本から改善できると確信しています。

本書が、社員の“幸福度”と“業績”を両立させる組織づくりの一助となれば幸いです。

部下が自ら動きたくなるリーダーシップ

船坂光弘 著
太陽出版
1,800円+税

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