【メールマナー】覚えておきたい、接待のお礼メールのマナー

最終更新日:2023年8月29日

仕事をしていると、時には取引先からの接待を受けることがあります。接待では、招かれる側がお客様という上の立場になりますが、だからといってただ接待されておけばいいというわけではありません。接待を受ける機会があったら、お礼のメールを送るのがビジネス上のマナーです。(文:日本人材ニュース編集部

日本人材ニュース

お礼メールは翌日には送る

お礼のメールは、感謝の気持ちを伝えるためのものです。あまり接待から日を開けてしまっては、感謝の気持ちが伝わりづらくなります。

昼間に接待を受けたなら当日中、夜の接待なら翌日には、お礼のメールを送っておきたいものです。休日を挟んでしまった場合でも、どんな遅くとも3日以内には送りましょう。

取引先の社員が何人も同席した場合でも、送信先は同席した相手の中で一番地位の高い人のみで大丈夫です。ただしその場合は、文中で「ご同席くださった皆様のご厚情にも、深く御礼申し上げます」「皆様にもよろしくお伝えください」といったように、一言書き添えておきます。

逆に、接待される側の同席者がいた場合は、それぞれがお礼メールを送ってしまうと、相手に何通も届くことになり迷惑になりかねません。まず、自分がお礼メールを送っていいものか、同席者に確認しましょう。そして自分が送ることになった場合は、文中に「同席させていただきました部長の××からも、くれぐれもよろしくお伝えするよう申しつかっております」といったように、一言書き添えます。

お礼メールのマナー

接待や会食のお礼は、正式にはメールではなく手紙で伝えるものです。ただ現在では、ビジネスの世界でもメールでのやりとりが一般的になってきました。そのため、よほど形式を重んじる場合以外は、メールでのお礼状も差し支えないでしょう。

ただ、お礼メールの文面は、本来のお礼状に沿ったものにするのがマナーです。とくに、それほど親しくない会社から接待を受けた場合は、できるだけていねいな文面にする必要があります。接待では、招かれた側がお客様という上の立場になりますから、あまり砕けた文面にすると、ともすれば不遜な態度に見えてしまうことも。そうすると、後の取り引きにも影響が出ることがあります。

まず、件名は「会食の御礼」「お招きの御礼」など、堅い感じにしておいたほうが無難です。書き出しは「貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」といった正式な挨拶で。そして最後には「皆様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます」といった結びの言葉もつけ加えるようにしましょう。

ただ、ある程度つきあいの深い取り引き相手で、先方の担当者の気心も知れているといった場合には、もう少しくだけた雰囲気にしても大丈夫でしょう。例えば、件名を「昨夜はごちそうさまでした」として、書き出しは「いつもお世話になっております」、結びの言葉は「まずは取り急ぎお礼まで」としておくなどです。

簡素な文章で分かりやすく

最近はオフィスのパソコンより出先のスマートホンで着信を確認するというケースが多いため、お礼メールも簡素に、読みやすい文章を心がけるようにしましょう。

たとえば、1行を25文字から30文字程度におさえ、行数が4、5行重なったら1行開けて改行を入れるなど、相手が1読して理解できるような工夫が必要です。
さらに、文章作成の基本6W2Hを意識すれば、読みやすい文章を効率よく書くことができます。

【6W2H】
When(いつ)
Where(どこで、どこへ)
Who(だれが)
Whom(だれに)
What(なにを)
Why(なんのために)
How(どのように)
How Much(いくらで)

また読みやすさを考えて、難しい言い回しや不必要な漢字の多用を避け、①、②、㈱、㈲などの機種依存文字も文字化けの可能性があるため使わないように注意します。

決まり文句の使い分け

接待のお礼メールは正式な挨拶から書き始めるのがマナーですが、挨拶の決まり文句にもさまざまな種類があります。3つ、例を挙げてみましょう。

「時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」
「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

どれも似たようなものだと思うかもしれませんが、ビジネス上では言葉の意味や違いを正確に知っておいたほうが失敗がありません。

まず「ご盛栄」とは、相手の商売が盛んであることを祝うための言葉です。
同じような言葉として「ご隆盛」「ご隆昌」などがあります。

ただ、相手先が病院、葬儀社といった、世間的に商売繁盛だと不謹慎だと思われるような業種の場合は、避けておいたほうがいいでしょう。

同じく、相手先が赤字決済状態であるような場合も、嫌みにとられる可能性があります。また、個人商店やフリーランスの人など、会社組織になっていない相手には、あまりふさわしくありません。

「ご清栄」とは、相手の健康と繁栄を祝うための言葉です。相手の仕事面での繁栄とともに、健康を喜ぶ意味があるので、会社組織宛てでも個人宛てでも使えます。「ご盛栄」というと不謹慎に思われる、病院や赤字企業宛てのメールでは、代わりにこの「ご清栄」を使います。

「ご清祥」は、相手の健康と幸せを祝うための言葉です。健康に重きが置かれている言葉なので、会社組織宛てに使うのは、あまりふさわしくありません。個人商店やフリーランスの人など、個人宛てのメールで使うようにしましょう。

同じような言葉として「ご健勝」があります。儀礼的な決まり文句ではありますが、相手が持病を抱えているなど、健康に問題があることが分かっている時は、避けておいたほうが無難です。その場合は「寒さ厳しい折、いかがお過ごしでしょうか」のような、時候の挨拶にしておきましょう。

支払いパターン別表現法

同じ接待と言っても、相手に100%支払ってもらった場合や1部はこちらが支払った場合、割り勘だった場合と支払いのパターンはさまざまです。
支払いの割合によって言葉使いに気を使うと、より良いお礼メールを作ることができます。

1. 相手に100%支払ってもらった場合

「ごちそうさまでした」、「ありがとうございました」のお礼の言葉の前に、「すっかり」や「すべて」を付け加えると、より感謝の気持ちを表現することができます。

文例)
「昨日は、貴重なお話を聞かせていただきました上に夕食まですっかりお世話になってしまい、ありがとうございました」

2.自分より相手が多く支払ってくれた場合

この場合も「昨日は、大変おごちそうさまでした」と書くのがベター。特に相手が上司や年上の場合はこの表現がベストです。

3.割り勘だった場合

割り勘だった場合は「楽しいお食事会にお招きいただき、ありがとうございました」と、食事会に声をかけてもらったことへの感謝の気持ちを表現しましょう。

接待のお礼メールに書くべきこと

接待を受けた時のお礼メールは、書くべきことがほぼ決まっています。

まず「相手の社名・部署名・役職名・氏名」、次に「挨拶」を書きます。そして「昨日はお世話になりましてありがとうございました」というお礼を述べて、自分の社名や氏名を名乗ります。

その後、接待の会場となった店や料理について、なるべく具体的に褒める文章を入れましょう。例えば「落ち着いた雰囲気の隠れ家風のお店で、料理とお酒の取り合わせを堪能できました」「味わう機会の少ないジビエの味を、お気遣いとともに堪能させていただきました」などです。単に「大変美味でした。ごちそうさまでした」と書くよりも、感謝の気持ちが伝わります。

さらに、相手との会話についても「貴重なお話を伺うことができまして、大変勉強になりました」「じっくりお話ができましたこと、大変うれしく思っております」といった一言を書いておきます。

接待のお礼状では、結びの前に「次回はこちらからご招待をしたい」という一文を含めるのがマナーです。これは儀礼的なものなので、こちらからの招待が実現しなくてもかまいません。

あるいは「改めまして、今後とも末永くおつきあいいただけますようお願い申し上げます」「今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」といった文に置き換えてもいいでしょう。

そして最後は結びの言葉で締めます。

共通の想い出を添えて特別なお礼メールに

相手の地位が格段に上というのではなく、担当者同士の接待だった場合などは、この接待を機会により協力的な関係を結びたいもの。お礼メールでは、接待で話したことや起きたことなど、共通の想い出を書き添えてみましょう。

「●●様のご趣味が、トライアスロンとは存じ上げませんでした。自分もお話ししたようにマラソンをやっていて、トライアスロンには興味があります。ぜひ、次回は競技のことなど、教えてください」
「しかし、お店の女将さん、本当に楽しく素晴らしいお人柄でしたね。今度はプライベートで伺わせていただこうと思います」。

このように、出席した人だけがわかる共通の想い出を加えることがポイントです。互いに同じ時間を共有し、楽しいひと時を過ごしたことを思い出してもらえるため、相手との関係性をより深いものとすることができます。

お礼メールのNGワードとは

お礼メールを書くときに、気をつけるべきNGワードがあります。うっかり使ってしまわないよう注意しましょう。

1. 様+各位 は二重敬語で間違い
接待の相手が複数人いる場合、「○○製作所様各位」と書いてしまいがちですが、これは二重敬語になるためNGです。「○○製作所各位」と書きましょう。「様をつけないことで失礼にあたるのでは?」と思うかもしれませんが、「各位」は「皆様」という意味の敬称なので、問題ありません。

2.「取り急ぎ……」は改まった相手には使わない
忙しい時間を割いて少しでも早く送ったことを示すつもりで、「取り急ぎお礼まで」「取り急ぎ失礼いたします」と、書いてしまうことがあります。しかし、この「取り急ぎ」を失礼と感じる人もいるので、目上の方や改まった相手には使わない方がいいでしょう。
「取り急ぎ」は、「本来直接うかがうべきところを、取り急ぎ手紙で失礼します」という意味の手紙用語です。用件を簡潔に記す場合に使われる言葉なので、ほかの文章をだらだらと入れてはおかしなメールになってしまいます。
目上の方や改まった相手に「取り急ぎ」を使うのなら、代わりに、「お目にかかってお礼を申し上げたいところですが、メールにて失礼いたします」と、添えたほうがベターです。

これらのNGワードは、普段のビジネスメールにも該当しますので注意しましょう。

お礼メールは送ることに意味がある

ビジネスシーンでは接待後だけでなく、来訪、訪問、会議への参加など、相手に何かをしてもらったら、必ずメールでお礼を述べます。感謝を示すお礼メールは、送っておいて損になることはありません。どんなに忙しくても、送るようにしたいものです。

しかし、お礼メールの内容が失礼になってしまっては逆効果。ぜひ、さまざまなシーンに合わせたお礼メールの送りかたをマスターして、仕事上での利益につなげましょう。

【あわせて読みたい】

PAGE TOP