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安田 裕 ディレクター
コンサルティング業界の採用動向は、2017年に続き、各社ともにシニア、ミドル、ポテンシャルクラス含め、積極採用が継続している状況です。特にコンサルティングファーム在籍者や、親和性の高い基幹システム開発経験を有するエンジニアは、非常に熾烈な獲得競争が続いています。
コンサルティング業界のトレンドとしては、以下3つの変革を推進するプロジェクトニーズが強まっています。1つ目はIndustry4.0と呼ばれる製造業のデジタル化、IoT化などのビジネスモデル変革に関わるプロジェクトです。
スマートファクトリーや自動車の自動運転など、これまでの業界構造が大きく変わる兆しに対応すべく、R&D、生産工程までに踏み込んだ変革が行われています。そのため、製造業のR&D、設計開発エンジニアなどの製造・生産工程に関わるスペシャリストの採用が行われています。
2つ目は、従業員の生産性向上、働き方に関わる変革です。政府の「働き方改革」の方針を受け、「AI」や「RPA」等のテクノロジーを活用した業務のデジタルトランスフォーメーションが積極的に行われています。
AI、RPA、データサイエンス等の先進技術の知見を有するコンサルタントは業界の中でもまだ少ないため、インターネット関連企業、ITベンダー等の異業種からの人材採用が積極的に行われています。
3つ目はコンプライアンス、リスク対応などのガバナンス強化の動きです。昨年、品質保証検査など企業の不祥事に関わる事件が取り上げられたことがあり、企業統治の強化が求められている状況です。そのため、旧来の内部統制、規制対応のみならず、新たな不確実性、脅威に対応すべきサイバーセキュリティー、フォレンジック等のニーズも非常に高くなっている状況です。
現在の熾烈なタレントの獲得競争を鑑みると、募集要件における経験領域、対象年齢等の見直しを行い、ビジネスニーズおよび採用トレンドに的確に適応している企業の採用活動が堅調であると考えられます。