HRアドバンテージ
相原 孝夫 代表取締役社長
「何をやってもうまくいかない」ということがある一方で、「やることなすことがうまくいく」ということもあります。こういう時はあらゆることが関連し合って物事が好転していきます。
継続的に高い成果があがっているハイパフォーマーたちは、好循環の中にあると言えます。そのような人たちは、楽しそうに仕事をしているものです。
「なぜ同じ仕事をしているのに、楽しそうにしている人と、つらそうにしている人がいるのだろう?」人事・組織コンサルタントという仕事を通して、たくさんの職場を見てきた中で、常に頭にあったことです。
20年ほどハイパフォーマーの調査・分析をしてきて、彼らには共通点が多いことがわかりました。それらは一般の成功法則などで言われているような、単に望ましい行動とは異なります。成果に結び付く行動であり、同時に、その成果を継続的にあげ続けることに資する行動です。
継続性が高いということは、好循環が回っているということであり、彼らに共通に特徴的に見られる行動特性は、「好循環の起点」となっていると考えられます。
今回改めて気付いたことは、結局のところ、組織の中で成功するための行動原理は、昔も今も変わらないということです。
昨今の個人成果重視や短期的成果重視などの大きな環境変化を前にして多くの人たちは、必要な行動原理は変わったと錯覚しました。しかし、ハイパフォーマーたちは、行動原理は普遍であることに気づいていたのです。
個人成果重視となっても、組織と距離を置こうとはしなかったし、短期的成果重視となっても、長期的、継続的な貢献を重視し、余裕のなくなった会社が発する誤ったメッセージに惑わされることなく、本質的な点を見誤らなかったのです。
セミナーや講演会の際には、よくこのハイパフォーマーの共通点について話をしますが、受講者の方々が最も強い興味を示してくれる話のようです。それらの内容を一度きちんとまとめておく必要があると思い、またより多くの方々と共有したいと願い、今回の本となりました。
相原孝夫 著
日経経済新聞出版社、850円+税