キャリア インキュベーション
服部 泰三 コンサルティング業界担当 ディレクター
コンサルティング業界の採用意欲は依然として旺盛です。戦略系、シンクタンク、総合系、IT系、FAS系、組織人事系、ブランド戦略系など全般で昨年度以上のニーズがあります。
採用数では、外資会計事務所系ファームの新規立ち上げや監査法人のアドバイザリー部門の採用強化がボリュームを牽引しています。またFAS系ファームで戦略系コンサル経験者を採用し戦略チームを立ち上げる事例が出てきています。これは買収前のアドバイザリー業務から買収後の経営支援まで一貫してサポートするためです。
各ファームがサービス領域を拡大する中、コンサル経験者を優遇する傾向はますます強まり、コンサル業界内での転職も増えています。 業界別に見ると、戦略系ファームでは即戦力となる中間層が不足し、コンサル経験者の採用をより強化しています。総合系ファームでは、第二新卒から即戦力、パートナークラスまで幅広く採用しています。
注目するキーワードは「M&A」「デジタル」「ビッグデータ」「エネルギー」「サイバーセキュリティ」などですが、いずれも「グローバル化」の文脈で出てくるため英語力がほぼ必須となっています。また、ダイバーシティの観点から女性のニーズも増えました。
上記の通り、一部の優秀層を各社が取り合う売り手市場であるため、報酬面、選考スピードなどで他社に勝ることが必須要件です。また、コンサル会社は依然として魅力的な転職先の1つと認知されているものの、コンサル出身者がいるベンチャーやPEファンド、外資系企業なども採用競合になるため、自社の評判やブランドイメージを正しく把握し「自社の魅力」「入社後のキャリアパス」をしっかり語れることが重要です。
また、ソーシャルメディアを使ったダイレクトソーシングや社員紹介なども有効ですが、むやみな声掛けで評判を落としてしまう場合もあるようで注意が必要です。例えば、経験者採用は人材紹介、若手未経験者採用は求人広告やダイレクトソーシングと使い分けると良いでしょう。