人材採用

求める人物像を社員が共有し、リファラルリクルーティングを導入【ノバレーゼ】

2000年の設立からわずか6年で東証一部上場を果たしたノバレーゼ。ウエディングプロデュースやレストラン運営を手がけ、さらなる事業拡大を目指して成長意欲の高い人材の獲得が急務だ。同社人事本部人材開発部長の高橋麻菜美氏に、人材採用の状況や取り組みなどについて聞いた。

ノバレーゼ

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高橋 麻菜美 人事本部人材開発部長

「新卒採用のリクルーター教育では、社長を交えて採用したい人物像のすり合わせを徹底的に行っています」

現在、強化している事業やサービスを教えてください。

ゲストハウスを活用したオリジナルウエディングを強化しています。近年は、有名ホテルでのウエディングである「ホテル婚」よりも、ゲストに対するおもてなしを重視した「ゲストハウス婚」が広がっています。

特に、料理は大きな訴求ポイントです。結婚式は大人数のため、熱いものは熱いうちに…という当たり前のことが難しいと言われます。当社では料理こそお客様への最大のおもてなしと考え、「出来たて」にこだわりを持っているため、お客様から「結婚式でこんなにおいしい料理を食べられるとは」と感想をいただくこともあります。

どのような分野で人材を必要としていますか。

事業拡大に伴い、ウエディングプランナー、ドレスコーディネーター、調理スタッフ、パティシエ、レストランサービススタッフなど、あらゆる分野で人材を必要としています。とりわけ人材難に直面しているのは、「調理スタッフ」と「ウエディングプランナー」です。

調理スタッフは転職が珍しくない職種のため、安易に採用してすぐに転職してしまうことがないよう細心の注意を払っています。「ウエディングプランナー」の志望者数は、数年前と比較して減少傾向にあります。

売り手市場が激化する中、とりわけ「サービス業」全体に対し「仕事が過酷だ」「稼いでいけるのか」といったネガティブなイメージが広まってしまった影響を受けています。志望意欲を高め、ミスマッチを減少させるために、採用ではさまざまな工夫を凝らしています。

新卒採用で求めている人材像、最近の採用状況について教えてください。

求めている新卒者を一言で表現すると「スーパースター」です。一瞬で他者を魅了する力を持ち、生まれながらのエンターテイナーである、そんな人材です。もっと分かりやすく言えば「クラス一の人気者」となるでしょうか。

2016年卒の実績では約9000人の応募があり、書類選考と1次面接を経て二次面接に進めるのは約150~200人で、最終的に約30人が総合職として入社しています。厳選採用を心がけており、数字必達ではなく、「本当に採用したい人だけを採る」方針です。

母集団形成や選考プロセスにおいて工夫していることはありますか。

募集は、就職ナビサイトも活用していますが、近年は合同説明会での接触や内定者や既存社員の紹介などから接点を持った学生が採用に至る人数が圧倒的に多くなっています。

体育会系の部活動などで役職者を経験している学生は特に親和性が高く、彼らに向けてチームビルディングを学ぶための「チームマネジメントセミナー」を実施し接点を積極的に設けるようにしています。

学生との相互理解を深めるために、一次面接と二次面接の間に複数回の「面談」を挟んでいます。面談を担当するのはリクルーター教育を受けた社員で、学生の属性に合わせて担当を決めています。

例えば、経営志向の学生なら、経営に近い立場であるゼネラルマネジャーを当てるといったようにです。リクルーター教育では、社長を交えて採用したい人物像のすり合わせを徹底的に行っています。

当社は創業時から「採用は全てに優先する」という考えで、社員誰もが採用活動に協力する土壌があります。リクルーターに選ばれると、面倒なことが増えるため嫌がる人も他社では多いと耳にしますが、当社ではむしろ名誉なことと捉えられ、社内で注目を浴びる立場になります。

中途採用では新しい採用手法を導入しているそうですね。

転職市場は売り手市場になっており、求人広告を出して応募を待っているような方法では人材を確保できなくなっています。「待ち」の採用ではなく、さまざまな制度を駆使し優秀な人材を発掘する「攻め」の採用を仕掛けていきたいと考えています。

そこで3月から、社員を通じて知人ら周囲の人材を積極的に中途採用する「うちこいよ制度」を開始しました。社員が友人関係やビジネスの人脈などを生かして中途入社を勧める取り組みで、こうした採用手法は「リファラルリクルーティング(友人紹介採用)」と呼ばれ、近年注目を集めています。

社員が「ノバレーゼにふさわしい」「ノバレーゼで働いてほしい」と見初める優秀な人材の積極的かつ効率的な採用を行います。 本格的に転職活動をしていない人材を発掘できる可能性もあり、求人広告だけでは出会えない優秀な転職潜在層へのアプローチも見込んでいます。今年の中途採用者数は約100人を予定していますが、約3割はこの手法で採用したいと考えています。

実は、この新制度に類似した採用は調理スタッフを中心に一部では以前から行っていました。現在の料理長の約3分の1は社員の紹介を通じた採用です。当社の事業に対する理解や定着率はもちろん成長意欲も高い人材ばかりです。こうした成功例をさらに広げようということで、今回の本格的な制度開始に至りました。

女性の活躍推進や若手の抜擢に取り組んでいる

●「女性の働き方」「挑戦と環境」についての紹介内容

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(出所)ノバレーゼ「キャリア採用ページ」から一部抜粋

新制度で成果を上げるためのポイントはどこにあると考えていますか。

運用面で注意しているポイントは「求める人物像を社員にどのように周知徹底するか」です。制度運用にあたり、内面性や協調性といった人となりやスキルなど約30項目をリストアップし、当社が必要とする人物像を社員が明確に把握できるようにしました。

このチェックシートをもとに、人材戦略部が勤続年数3~4年の次期マネジャー候補者約150人に対して個別面談を実施し、新制度の趣旨を伝えています。その150人が今回の制度のリーダー役となり、配属先の全国の各部署で、社員たちに共有します。

求める人材のセグメントを事前にしっかりと行うことで、入社希望者の書類選考は全員、免除します。また、管理職者や料理長クラスの人材は、社長面接のみの特別対応とします。ミスマッチのない優秀な人材の確保に加え、採用の短期化や選考における業務軽減にもつながると考えています。

今後、この制度に関与する社員の動機付けを高める方策も必要になるでしょう。具体的には、評価制度の一項目に盛り込むなど試行錯誤を続けていきます。

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「退職者の復職を促す『戻って来いよ制度』も活性化させます」

その他に中途採用の取り組みで特徴的な点はありますか。

現在、中途採用への応募者の約半分を同じ業界出身者が占めており、新卒採用で当社を受けたものの他社に就職した方が中途採用に応募されるケースも多く見られます。この業界で「もっとお客様のためになることがしたい」という理由から、当社を志望してくださるのはとてもありがたいことです。

また、何らかの理由で当社を退職した人の復職を促す「戻ってこいよ制度」も特徴的な取り組みかもしれません。他社の状況を一度見たことによって当社のよい点を分かってくれているため、復職後の定着率は高く一層の活躍につながるため、こちらもより活性化させていく方針です。

最後に、キャリア支援の内容や人事施策について教えてください。

新卒者のマネジャー最短昇進年数は1.5年で、20代で海外子会社の社長に抜擢された例もあります。調理スタッフから役員に昇進した社員もおり、どの職種でも上を目指せるチャンスがあります。

当社が目指しているのは、ライフステージに応じて、いろいろな働き方が選択できる職場を実現することです。時間に制限があっても子育て中でも部門長になれる、そんな環境です。育児休暇取得率は95%で、ほとんどの社員が「仕事に戻りたい」と希望しています。

また、有給休暇はすべて取得するよう社員、アルバイト問わずスタッフに義務化しています。結婚や出産、介護などに対応し、正社員の雇用形態のまま、短時間勤務の選択や勤務日数を少なくできるフレックスキャリア制度の利用も徐々に増えています。男女問わず、働きやすい職場環境づくりにさらに努めていきたいと考えています。

株式会社ノバレーゼ

代表者:代表取締役社長 荻野洋基
設立:2000年
資本金:6億8百万円
従業員数:1818人(連結、2015年12月31日現在)
事業内容:ブライダル事業( 婚礼プロデュース部門・婚礼衣裳部門・レストラン部門)、レストラン特化型事業
本社:東京都中央区銀座1-8-14 銀座YOMIKOビル4F
売上高:164億28百万円(2015年度)
http://www.novarese.co.jp

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