60歳定年を迎えた人の86.8%が継続雇用、定年制度の見直しよりも継続雇用制度の導入が多い

厚生労働省がまとめた「高年齢者雇用状況等報告」によると過去1年間に60歳定年企業で定年を迎えた人の86.8%が継続雇用されたことが分かった。継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.2%だった。(文:日本人材ニュース編集部

過去1年間(2020年6月1日から2021年5月31日)に60歳定年企業で定年を迎えた36万9437人のうち、継続雇用された人は86.8%(うち子会社・関連会社等での継続雇用者は3.1%)、継続雇用を希望しなかった人は13.0%、継続雇用を希望したが継続雇用されなかった人は0.2%だった。

2021年6月1日現在で、高年齢者雇用確保措置を実施済企業の割合は99.7%。実施済企業における雇用確保措置の内訳は、「定年制の廃止」が4.0%、「定年の引き上げ」が24.1%、「継続雇用制度の導入」が71.9%となっており、定年制度の見直しよりも、継続雇用制度の導入を行うことで雇用確保措置を講じている企業が多かった。

継続雇用制度を導入している企業のうち、希望者全員を対象とした制度を導入している企業は80.9%だった。対象者を限定する基準がある制度を導入している企業は19.1%だったが、従業員301人以上の大企業に限ると38.5%となった。

定年を65歳とする企業は21.1%。企業規模別にみると、従業員21~300人の中小企業では21.7%、従業員301人以上の大企業では13.7%となっている。

66歳以上まで働ける制度のある企業は38.3%で、企業規模別にみると、中小企業は38.7%、大企業は34.1%となっている。

70歳以上まで働ける制度のある企業は36.6%で、企業規模別にみると、中小企業は37.0%、大企業は32.1%となっている。

従業員21人以上の企業の常用労働者数(約3380万人)のうち、60歳以上の常用労働者は13.2%の約447万人。年齢階級別に見ると、60~64歳が約239万人、65~69歳が約126万人、70歳以上が約82万人となっている。

31人以上規模企業における60歳以上の常用労働者数は約421万人で、2009年と比較すると約205万人増加している。

集計対象は、従業員21人以上の企業23万2059社。
※2020年6月1日時点の集計結果では、従業員31人以上の企業の状況をまとめていたが、今回の集計結果では21人以上の企業の状況をまとめている。このため、比較可能な場合には前年の数値を記載している。

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