ライズ&カンパニー
山田 晴彦 パートナー 執行役員
総務省発表では4月の完全失業率は2.5%で前月比0.1ポイント低下。2020年の平均値と同程度で大きな変化はない状況です。
雇用状況は急激な変化がなくなり落ち着きを見せている状況のなかで、変化が著しいエネルギー業界(再生可能エネルギー業界等)の採用動向は依然として世界的にもトレンドマーケットであるため、常に国内の転職市場では活況な業界の一つとなっています。
脱炭素社会の実現、エネルギーミックスやカーボンニュートラルなど10年後、20年後を見据えた変革を求められているという側面から若手からミドル、ベテランにいたるまで採用の需要が落ちることはありません。
これまでは30~40代のミドル層を中心に各社、採用の競争激化がありましたが、ここ1~2年はポテンシャル採用(若手採用)、これまで比較的割合として少なかった50~70代のプロフェッショル人材の採用を強化している企業が増加傾向にあります。
職種では施工管理、プロジェクトマネジャー、設計等のエンジニアは依然として採用の競争激化フェーズで、事業開発、ファイナンス領域、IT戦略、オフィス部門でも組織を安定させるために、業界経験不問で各職種のプロフェッショナル人材を必要とする求人が増加傾向にあります。その背景として組織の安定性、差別化を目的とする事業加速があります。
今後、採用を成功させるには、各企業が採用すべき人材の共通認識をもち、経営陣、現場、人事が三位一体になり、マッチングの質ならびにスピード感のある採用をする時代に突入してきているかと思います。また、変化の激しいエネルギー業界では事業加速のために多少リスクを背負って、攻めの採用が今後より一層加速していくと思われます。
これまでの採用から10年後、20年後を見据えた採用を今のうちトライされる企業がより業界を引っ張っていくのは必須かと思いますので、企業自体がニューノーマルに適した新たな採用を構築してくかどうかが問われています。