企業を退職した元従業員(アルムナイ)を再び雇用するアルムナイ採用を導入している企業は約3割に上っていることが、マンパワーグループ(東京・港、池田匡弥社長)が実施した調査で明らかとなった。
企業で人事担当者を務める20代~50代の男女400人に、アルムナイ採用の導入状況を聞くと、導入している企業は全体の28.0%となった。
アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、どのような方法で実施しているのか聞くと、つながりを持っている社員から連絡してもらったり、再雇用の資格を満たした退職者に専用サイトに登録してもらったりするなど、アプローチしやすい仕組みをつくっているようだ。
また、アルムナイ採用を周知するために、退職前の説明会を実施していたり、紹介してくれた社員への報奨金を設定したりして、アルムナイ採用を促進しているケースもあった。
選考の仕組みについては、「無期限で採用するのではなく、退職から再雇用を可能とするまでの期間を決めている」(男性・54歳/北海道)、「ほかの候補者とほぼ同じ流れで選考を行っている」(男性・41歳/埼玉県)など、ケース・バイ・ケースのようだ。
アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、アルムナイ採用における雇用形態を聞くと、「正社員」(77.7%)が最も高く、全体の約8割を占めた。次いで、「有期雇用社員」(54.5%)が5割超で続いた。
アルムナイ採用についてマンパワーグループは、「即戦力としての“正社員”や、働き手の状況に合わせた働き方ができる“有期雇用社員”としての雇用が多い」と指摘する。
アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、アルムナイ採用を行ったことによる成果や効果について聞くと、個々の社外での経験を活用できる点や即戦力人材という面だけでなく、定着性についても効果を感じているケースが多い。
また、採用コストが抑えられることから、コストパフォーマンスの良さをメリットと考える傾向があった。
今回の調査についてマンパワーグループは、「アルムナイ採用を導入している人事担当者は、確実に即戦力になる人材の補填ができることに大きなメリットを感じている様子がうかがえた」とした。
調査は、2022年1月、企業で人事担当者を務める20代~50代の会社員または団体職員を対象に実施し、400人の有効回答を得た。