組織・人事

働く女性のストレスレベルが上昇、特に勤務時間が変わった女性は7割超でストレス上昇

デロイト トーマツ グループ(東京・千代田、木村研一CEO)が公表した「Women @ Work 2022: A Global Outlook」によると、働く女性のストレスは1年前より上昇しており、半数は「燃え尽き症候群」であることが明らかとなった。

1年前よりストレスが増えたとする女性は、日本・グローバルともに、半数以上(日本57%、グローバル53%)となった。また、燃え尽きたと感じる女性の割合は、日本50%、グローバル46%となっており、日本の女性はグローバルの女性に比べ、燃え尽きたと感じている割合が高くなっている。

特に、パンデミック以降に「勤務時間が変わった」と答えた女性は、勤務時間が変わらなかった女性やパートタイム勤務の女性に比べ、ストレスや燃え尽きたと感じている割合が多かった。

【燃え尽きたと感じる女性の割合(日本)】
勤務時間が変わらなかった女性 26%
勤務時間が変わった女性    70%
パートタイム勤務の女性    44%

【1年前よりストレスが増えたと感じる女性の割合(日本)】
勤務時間が変わらなかった女性 35%
勤務時間が変わった女性    74%
パートタイム勤務の女性    39%

この結果についてトーマツでは「グローバル、日本共に“燃え尽き”は退職を考える原因のトップとなっており、企業側は女性の離職率上昇を防ぐために、ケアを検討する必要があることに加え、勤務時間が変わった女性については特にケアが必要である」と指摘する。

メンタルヘルスの状態が「悪い(含む非常に悪い)」と回答した比率は、日本57%、グローバル49%となり、日本で働く女性はグローバルの女性に比べて高くなっている。

しかし、日本の女性はグローバルの女性に比べて職場でメンタルヘルスを話題にしない傾向にあり、「メンタルヘルス上の理由で休みを取ったことがある」(日本31%、グローバル33%)、「休みの理由がメンタルヘルス上の問題であることを話すことに抵抗がない」(日本29%、グローバル39%)、「職場で十分なメンタルヘルスサポートを受けている」(日本39%、グローバル44%)など、メンタルヘルスに起因する不調を周囲に打ち明けたり、サポートや休暇を利用したりするといったことがグローバルの女性に比べて少ない。

そのため、トーマツでは「周囲がこの問題に気付かない可能性がある」と危惧する。

日本・グローバルともに「過去1年の間に、ハラスメントやマイクロアグレッションなどを経験した」と回答した割合が昨年調査時よりも増加しており、特に日本の女性の回答割合は、45%から64%へと大きく増加した(グローバルでは、52%から59%へ増加)。

マイクロアグレッションとは、特定の属性の人を無自覚に傷つける日常的な言動であり、バイアス・思い込みに基づいた相手を傷つけるような発言の他、「男性中心になりがちな場に呼ばれない」、「会議で発言する機会が少ない」、「インフォーマルなやりとりや会話から排除される」などの職場における疎外が含まれる。

なかでも、ハイブリッド型(リモート・出社を組み合わせた働き方)で働く女性は、完全リモート型・完全出社型で働く女性に比べて、過去12カ月間におけるマイクロアグレッションの経験率が高い傾向がみられた。

【過去12カ月間、職場においてマイクロアグレッションを経験したか】
完全リモート型
  日本    30%
  グローバル 41%

ハイブリッド型
  日本    69%
  グローバル 66%

完全出社型
  日本    43%
  グローバル 34%

この結果についてトーマツでは、「柔軟な働き方が可能な一方で、異なる働き方をするメンバー間でのインクルーシブ(包摂的)な環境づくりが課題として浮き彫りになってきている」と指摘する。

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