人材育成

【著者が語る】「越境企業」のはじめ方

セルム
瀬戸口 航 執行役員

かつて企業の未来を担う次世代リーダーは、その企業内でじっくり育て上げるというやり方が主流でした。しかしあらゆるビジネス環境において、前例が通用しないこと、見通しがきかないことがスタンダードとなり、あらゆる業界が従来のビジネスのあり方を変革させて新たな価値創造を模索する今、既存の企業内・業界内のフィールドだけでこれからのリーダーを育むことは困難です。

そんな中、近年注目を浴びているのが「越境学習」です。越境学習とは、自社とは全く異なる環境に飛び出し、そこでの気づきや学びや自身の成長を自社に持ち帰ってそれを変革の火種とし行動を起こしていくという一連のプロセスをデザインする手法です。

しかし、越境学習を自社のリーダー育成体系に落とし込む際には、「調整の手間が大きい」「その割に送り出せるのは少人数」「戻ってきた後にどのようにその経験を既存組織に取り込めるのかが未知数」などの理由から、興味はあっても踏み出さない企業も少なくありません。

そこで本書では、人材に越境しての活動を経験させる意義、学習効果、そしてその経験を自社組織で活かし、定着させていくポイントを、多くの企業とともに試行錯誤して取り組んできた実例と理論を踏まえて解説しています。

特筆すべき学習効果は、「社会全体の中で課題を設定する力」「様々なステークホルダーと協働する力」「自分の信念や価値観を軸にして活動していく力」などです。

これは、リーダーシップに必要な要素でもありますが、私は越境を経験してもらう方は、限られた特定のリーダー層ではなく、あらゆる職種・階層であるべきだとも考えています。一人一人がリーダーシップを発揮できる状態こそ、これからの企業に重要なことだと思うからです。

あらゆるビジネスフロントから意志あるアクションが生まれて、企業全体を成長·進化させていく状態、それこそ「越境学習」を活用して実現できうる状態です。

その一つのキッカケとして、本書が多くの企業の人事・育成責任者や担当者の議論のお役に立てればと願っています。

瀬戸口航 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン
1,400円+税

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