採用試験の面接で、不適切だと思う質問や発言をされたことがある人は2割弱に上ることが、日本労働組合総連合会が実施した「就職差別に関する調査2023」で明らかとなった。
採用試験の面接で、不適切だと思う質問や発言をされたことがあるか聞いたところ、「ある」は19.5%、「ない」は80.5%となった。
不適切だと思われる質問・発言があったのは、どの業種の採用試験を受けているときか聞いたところ、「医療、福祉」(14.9%)が最も高くなり、「サービス業(他に分類されないもの)」(13.8%)、「建設業」(13.3%)、「情報通信業」(10.3%)、「製造業」(9.7%)が続いた。
採用試験の面接で質問されたことがあるものを聞くと、「転勤ができるかどうか」(43.3%)と「残業や休日出勤ができるかどうか」(42.8%)が特に高くなった。
次いで、「家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)」(37.7%)、「性別」(28.6%)、「本籍地や出生地に関すること」(28.3%)、「生活環境・家庭環境などに関すること」(28.1%)、「婚姻状況(未婚・既婚)」(27.1%)となった。
応募書類・エントリーシートの提出や採用面接において、知られたくないあるいは企業に示す必要がないと思うことを聞いたところ、「他社の選考状況」(37.7%)が突出して高くなった。
次いで高くなったのは、「趣味・特技」(18.0%)、「顔写真」(16.2%)、「学校生活・学生生活に関すること」(14.9%)、「学歴」(14.2%)だった。
男女別にみると、女性では「他社の選考状況」(43.2%)が全体と比べて 5ポイント以上高くなった。
採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査する旨の通知を受けたことがあるか聞いたところ、「ある」は11.7%、「ない」は63.3%、「わからない」は25.0%となった。
また、採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査されたことがあるか聞いたところ、「ある」は10.7%、「ない」は60.0%、「わからない」は29.3%となった。
調査は、2023年4月1日~4日、ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする、最近3年以内に就職のための採用試験(新卒採用試験、または中途採用試験)を受けた全国の15歳~29歳の男女を対象にインターネットで実施し、1000サンプルの有効回答を得た。(男性491人、女性498人、その他11人)