人材採用

優秀な外国人材の採用が学びと助け合いの風土を醸成【イントラスト】

東証プライム上場企業で総合保証サービスを提供するイントラストは、優秀な外国人材の採用に成功している。彼らの存在は日本人社員にも良い影響を与えているという。外国人材の採用活動を主導した債権管理部長の藤森武氏に、人材採用に対する考え方や入社後の様子などを聞いた。(取材・執筆・編集:日本人材ニュース編集部

イントラスト
藤森武 執行役員 債権管理部 部長

貴社の事業概要を教えてください

当社は、賃貸不動産業界における連帯保証人代行システムの構築を目指して2006年に事業を開始しました。家賃債務保証を皮切りに、医療や介護、養育費などの分野へもノウハウを展開し、現在では「総合保証サービス会社」として保証商品を開発・提供しています。

中でも私たち債権管理部は、保証事業において求償権に基づき債権を回収する役割を担っており、ビジネスの根幹部分になります。

債権管理部では、どのような能力を持つ人材を求めているのでしょうか

支払いが遅れている方は一人一人違った状況にあるため、それぞれの状況に応じたオペレーションが必要となります。仕事をスムーズに進めていくためには、まずは問題点を引き出し聞き取ることができる傾聴力が欠かせません。そして、その問題点を解決するために本気で最後まで行動できる能力を持つ人を私たちの事業部では求めています。

私はこのような能力を「人間力」と捉えています。この能力に関して人種や国籍などは関係なく、その人が持つ土台の部分だと思います。そのため、私は社員の採用や育成において、その人の「人間力」をしっかり見ることを大切にしています。

外国人材を採用することになった きっかけを教えてください

最初から外国人材を採用しようと思っていたわけではありません。私が偶然見ていたテレビ番組に、外国人材の就職活動を支援しているゴーウェル社の松田社長が出演されていました。そこで話されていた事業内容や外国人材に対する考え方に興味を持ち、社屋も近いので直接お話をうかがいたいと連絡を入れました。

松田社長からは、外国人材の能力の高さや勤勉さについて教えていただきました。同時に、外国人雇用に関するネガティブなニュースのあおりを受けて、日本で働くことを希望している優秀な外国人材が日本企業に採用されず、泣く泣く母国に帰らなくてはならないという現状があることを知りました。

そこで外国人材と直越話す機会を持てないかとお願いし、実際に会ってみると、同年代の日本人と遜色がないどころか、それ以上の高いポテンシャルを感じることができました。是非、当社で働いてもらいたいと思い、約10人と面談して、その中から3人の採用に至りました。

ゴーウェル社内で外国人採用の選考を行う様子

外国人材を採用することについて、懸念していたことはありますか

外国人材を受け入れる上で最も懸念していたのが言葉の問題でした。しかしその点については、今回採用した3人は日本語が堪能で問題なくコミュニケーションが取れています。本来は私たちが国際社会の一員として英語で話せるとよいのですが、現状ではなかなか難しいため、彼らに日本語で合わせてもらっています。

私たちにとって大切なのは、人材要件に合致する人材を採用することです。当社の場合、言葉の問題をクリアして意思疎通さえできれば、外国人であることが採用のハードルになることはありません。

今回採用した3人が実際に働いている様子を見て、何か感じていることはありますか

3人にはコールセンターのオペレーターとしてお客様と接してもらっています。さまざまな悩みの相談を受け、それを解決に導いて最終的に債権を回収するという大事な役割を日本人社員と同じように担ってくれており、能力の高さを示しています。お客様の9割9分は日本人ですので、もちろん日本語で対応しています。

お客様が外国人の場合、日本人社員は通訳を介した3者間通話で対応するのが通常ですが、彼らは英語で直接コミュニケーションできるので非常に助かっています。

そして、彼らのいち早く仕事を覚えて戦力になろうと貪欲に学ぶ姿勢は、日本人社員にとって非常に良い刺激になっています。 当社はメンター制を導入して、悩みがあった場合にはメンター役の先輩に相談できるようにしていますが、彼らが困っていたらメンター役に限らず、誰もが声を掛ける様子が見られます。

彼らを採用したことによって、私たちは新たな学びの機会を得ることができ、同じ仕事をする仲間として助け合う風土がこれまで以上に醸成できてきているのではないかと感じています。

今後の採用の取り組みについて 教えてください

2回目の外国人採用をゴーウェル社に依頼して選考を行っている最中です。これまで当社は中途採用の比重が高かったのですが、今後は新卒採用にも力を入れて若手を育てていきたいと考えています。新卒採用においても日本人・外国人を問わず、当社にマッチした人材を採用していきます。

外国人材を採用する上でアドバイスはありますか

まずは外国人材と話してみること、そして採用してみることではないでしょうか。最初は不安があるとは思いますが、コミュニケーションさえとれれば働く上で大きな問題はありません。 優秀な外国人材がもっと多くの日本企業で活躍するようになれば、日本全体の活性化にもつながっていくと思います。

株式会社イントラスト

代表者:代表取締役社長 執行役員 桑原豊
設立:2006年 
資本金:10億4500万円
従業員数:275人
事業内容:保証事業・ソリューション事業
本社:東京都千代田区麹町1-4 半蔵門ファーストビル2F
売上高:64億9100万円(2023年3月末実績)

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