【著者が語る】いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方

著者_早瀬

セセリー
早瀬 信 代表

【PROFILE】1985年、早稲田大学理工学部卒業後、キャノン株式会社に入社。主に製品事業の企画・運営、インターネットサービス事業の運営に従事。その後、組織開発部門へ社内異動し社内コンサルタント約12年を経て2021年に定年退職。2022年、組織開発コンサルタントとして起業しセセリーを発足。

職場で起こるいろいろな課題、特に原因がよくわからないモヤモヤ状態の解消に組織開発は有効です。本書共著者の三人(早瀬、高橋、瀬山)は、これまで関わった実践経験からそのことには確信をもっています。

しかしながら、「組織開発」という言葉そのものにモヤモヤを感じてしまう方が、世の中にとても多いことも知っています。今回の共著プロジェクトは、世の中のそうした「組織開発モヤモヤ」をなんとか払拭したいという思いからスタートしました。

そして、組織開発が実は「けっこう使いみちが広くて、誰でも始められる」ことを伝えたいと考えたのです。とはいえ、理屈でこれを説明しても「ふ~ん」で終わってしまうのが普通。ですから、実際の活動風景をイメージしやすい多様な事例を使うことにしました。そこでは、ノウハウよりも当事者の思いや、その変化をていねいに表現しています。

そうしたストーリーに後から組織開発視点で解説・意味づけて、読者には「えっ?こういうのも組織開発なのか!」というふうに感じていただく。また、それぞれ過去の経験と結びつけて、読者が自分なりの使いみちを想像し始めることを期待したのです。

「組織が良くなる」ということは、つきつめて考えるとメンバー一人ひとりの「行動変容」なのだ、とも言えます。つまり組織開発と人材開発は一体なのです。「人の成長」において組織開発の強みは、コミュニケーション、リーダーシップ、マネジメントなど、人と人の関係性に関わる能力を実践的かつ総合的に向上させることを期待できる点です。

本書が紹介する事例もこうした「人の成長」ストーリーになっていることを確認いただけると思います。また組織状態は、扇の要であるトップの性格や行動パターンに大きく影響を受けるものです。ですから、現場の実務担当者だけでなく、上級管理職の成長にまでアプローチする「使いみちの広さ(タテ方向の広さ)」は、組織開発のもうひとつの特徴だとも言えます。

本書を通じて、組織開発の具体的なイメージを感じ取っていただけたら嬉しいです。

早瀬信・高橋妙子・瀬山暁夫 著
監修・解説 中村和彦 南山大学 教授
ダイヤモンド社
1,700円+税

【関連記事】

▼人事専門誌「日本人材ニュース」はこちらでお読みいただけます

PAGE TOP