東京商工リサーチの調査によると、2024年1~2月に上場企業の「早期・希望退職者」を募集した人数は3613人となり、2023年の年間実績を452人上回ったことが明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
2024年1~2月に「早期・希望退職者」を募集した上場企業は、14社(前年同期9社)に達し、前年同期を5社上回った。対象人数は3613人(前年同期595人)と前年同期の6倍に急増し、2023年(3161人)の年間実績を452人上回った。
2024年に「早期・希望退職者」募集が判明した上場14社を業種別にみると、最多が情報通信(前年同期ゼロ)、電気機器(同2社)、食料品(同ゼロ)の各2社だった。
業種別の傾向について東京商工リサーチでは「最多の3業種のうち、情報通信、食料品の2業種が前年同期は募集がなかった。これはコロナの深刻な影響を引きずった前年同期と異なる傾向をみせている」と指摘した。
【業種別 「早期・希望退職者」を募集した上場企業】
情報通信 2社
電気機器 2社
食料品 2社
医薬品 1社
アパレル関連 1社
化学 1社
機械 1社
小売 1社
サービス 1社
精密機器 1社
その他 1社
募集人数(募集時点の人数が非開示の場合、応募人数を適用)は、1000人以上が2社、500~999人以上が1社と大型募集があり、この3社で全体の約9割を占めた。
【募集人数別 「早期・希望退職者」を募集した上場企業】
1~29人 3社
30~99人 2社
100~299人 2社
500~999人以上 1社
1000人以上 2社
未定・非公開 4社
2024年1~2月に「早期・希望退職者」の募集が判明した上場14社(単体)の募集開始の直近通期損益は、黒字が9社、赤字が5社で、全体の64.2%が黒字だった。黒字企業9社のうち、7社が東証プライム上場だった。
一方、赤字の5社では東証プライムは2社にとどまった。赤字企業は、東証スタンダード1社、東証グロース2社と、比較的規模が小さな企業に集中した。業種別では、機械、その他製品、サービス、医薬品、食料品が各1社。
調査は、2月29日公表分までの 「会社情報に関する適時開示資料」と東京商工リサーチ調査に基づき、希望・早期退職者募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に抽出した。