早期採用ブランディングで優秀層の学生を獲得するー名門大生のキャリアを支援する就活サイト「CareerPod」

ビジネスリーダーのキャリアデザインを支援するコンコードエグゼクティブグループが、大学1年生から就活生までが活用する新しい就活サイトを6 月に立ち上げた。同社の渡辺秀和CEOに、学生のキャリア支援に力を入れる理由や新サイトの特徴などを聞いた。(取材・執筆・編集:日本人材ニュース編集部

コンコードエグゼクティブグループ 渡辺 秀和 代表取締役社長 CEO

コンコードエグゼクティブグループ
渡辺 秀和 代表取締役社長 CEO

【PROFILE】一橋大学商学部卒業。2008年、コンコードエグゼクティブグループを設立し、代表取締役社長CEOに就任する。コンサル業界、PEファンド、経営幹部、起業家などへのキャリアチェンジに高い実績を持つ。「日本ヘッドハンター大賞」コンサルティング部門で初代MVPを受賞。著書『未来をつくるキャリアの授業』(日本経済新聞出版社)は、東京大学におけるキャリア設計の授業で教科書に選定された。

事業内容と人材紹介サービスの特徴を教えてください。

コンコードエグゼクティブグループは、「未来をつくるリーダー」を支援するキャリアデザインファームです。事業会社の経営幹部ポジション、コンサルやPEファンドなどのプロフェッショナルファームへの紹介に高い実績を持っています。

2008年の設立以来、相談者が望む人生を実現できるようキャリアデザインに基づく支援を行ってきました。現在では、東大・京大・MBAトップ校をはじめとする名門大出身者や、コンサルファームの出身者(ポストコンサル)などの優秀なビジネスリーダーが集まり続けるプラットフォームを確立しています。

企業から寄せられている人材紹介のニーズを教えてください。

多くの企業でDXや新規事業開発が急務となっています。また事業拡大のためには、M&Aや海外への事業展開などが必要不可欠です。これらの課題を解決する有力な選択肢が、マッキンゼー、BCG、アクセンチュアなどのコンサルファーム出身者である「ポストコンサル」の採用です。

ポストコンサルにはクライアントの海外進出やDX案件、新規事業開発などを多数手がけた経験豊富な経営人材が揃っています。そのため、コンサルティング業界に広範なネットワークを持つ当社へ、即戦力・幹部候補を採用したい企業からの依頼が急増しています。

東京大学のキャリア設計の授業など学生向けにも知見を発信しています。

キャリア設計はどなたにとっても大切なテーマですが、残念ながら日本の教育環境ではその知見を学べる機会がありません。そこで当社では、キャリア設計のノウハウを広く知っていただくため、書籍の出版や講演などの活動に継続的に取り組んでいます。

2017年には東京大学から依頼いただき、私はコースディレクターとしてキャリア設計の授業を行いました。全12回の授業は毎回300人近い出席で大教室は熱気に包まれ、キャリア設計への高い関心がうかがえました。講義後のアンケートは、自分の人生をしっかり生きようとする熱いメッセージにあふれていて、読んでいる私たちの胸も熱くなりました。

6月に就活サイトを立ち上げました。開設の経緯を教えてください。

「学生に早い段階から、自分のキャリアと真剣に向き合い、夢や志を実現するようなキャリアを歩んでほしい」という想いから、学生のキャリア形成を支援する株式会社コンコードアカデミーを立ち上げました。東京大学や一橋大学の学生に特化した情報サイト「UTmap」や「一橋map」などを運営し、東大1~3年生、一橋大1~2年生のそれぞれ約50%に利用されています。さらに今年6月、名門大学の1年生から大学院生までを対象とする新しい就活サイト「CareerPod」をリリースしました。

「CareerPod」は「スロー就活」と「社会に出るための準備」を学生に勧めています。

従来は、就活生になってから慌てて志望業界・企業を考え始める学生がほとんどでした。一方、私たちが提唱する「スロー就活」は、大学1・2年生という早い時期から自分の人生やキャリアにじっくりと向き合うことで、情熱を持てる仕事や本当にやりたい仕事を見つける就活スタイルです。本来あるべき就活とも言えるでしょう。

また、日本の多くの学生は、仕事をする上で必要なスキルや心構えを身につけていないため、就職後に苦労するというケースが後を絶ちません。この問題を解決するために、私たちは「社会に出るための準備」を推奨しています。基礎的な「ビジネススキル」や、人と「協働するスタンス」といった素養を学生のうちに身につけておけば、入社後に楽しく活躍できる可能性が高まるでしょう。これは、学生にとっても、採用企業にとっても大切なことです。

「CareerPod」は、大学1年生から人生やキャリアにじっくりと向き合う「スロー就活」と「社会に出るための準備」を推奨

早期採用ブランディングで優秀層の学生を獲得する~名門大生のキャリアを支援する就活サイト「CareerPod」

「CareerPod」はこちら

学生は「CareerPod」でどのような情報を得られるのですか。

「CareerPod」のサイトコンセプトは「落ち着くブックカフェ」です。サイトを訪れると、ブックカフェの本棚から気になる本を手に取るように、自分が興味のある業界やテーマに関するコンテンツをスムーズに見つけることができます。まだ自分の将来に関心を持てない大学1年生や就活に抵抗感がある学生も、キャリアという一見難しいテーマに親しみを持てるようなデザインとしました。お気に入りのカフェで作業や読書に集中するように、自分とじっくり向き合う時間を過ごすことができるサイトです。

多くの学生は自分が「本当にやりたいこと」を十分に考えることなく、知名度や年収条件、世間体などで就職先を選んでしまっています。しかし、自分の価値観と向き合うことなくして、適切なキャリアを設計することはできません。これまでの就活サイトは、PV数を重視することから無数の記事コンテンツがばらばらに存在しており、学生は何を読めばよいか非常にわかりにくいという問題がありました。

「CareerPod」では、私が東京大学で行なった授業をベースに、ビジネス知識を持たない大学1年生にもキャリア設計が理解できるよう噛み砕いて解説しています。仕事や業界について必要十分な知見を得られるよう、体系的にまとめたコンテンツも用意しました。各コンテンツは一冊の本のようなビジュアルになっており、それぞれ第1回からスタートする複数の記事で構成されているため、順を追ってそのテーマへの理解を深められる講座形式となっています。訪れた学生は、サイト内で迷子になることなく必要な知見を学ぶことができます。

就活サイトやSNSなどの情報では、とかくテクニック論に走りがちな就活対策が多く見られます。しかし本来、就活は学生が大きく成長できる貴重な機会です。一例を挙げると、グループディスカッションでは「周囲と協働する能力」が見られます。自分の言動や振る舞いが他者に与えるインパクトについて深く省みる、学生にとってまたとない経験となるのです。「CareerPod」では、「社会人になる上で何が求められているのか」という本質から解きほぐすことで、学生が就職活動を通じて大きく成長できるよう、骨太の就活対策を伝えています。

人材獲得競争が激化する中、企業はどんな対策を講じるべきですか。

優秀な学生を確保する上で、「早期の採用ブランディング」はますます重要になっています。「CareerPod」で実施した最新のアンケート結果においても、東大生が入社先として検討する企業のエントリー数は、平均わずか13.7社です(2024年7月現在、就活中または就活を終えた東京大学の在学生180人からの回答)。

彼らにとって主な情報源は大学の先輩からの助言であり、3年生になって就活を始める頃にはエントリー先をすでに決めているため、選択肢が狭まっているのです。ということは、企業としては、まだ就活を始めていない1・2年生のうちに採用ブランディングを行わなければ、優秀層のエントリー先の選択肢にそもそも入ることができません。しかし現状は、企業が大学1・2年生にリーチできる効果的な手段は限られており、母集団形成が大変難しい状況です。

そのような中、「CareerPod」は、大学1・2年生の優秀層に企業の情報を届けられる、今までになかった媒体なのです。「CareerPod」では、早期採用ブランディングを支援するため、仕事の醍醐味や企業の魅力を学生に伝える「社員インタビュー記事」の制作・掲載を行っています。もちろん、採用イベントや企業情報の掲載も可能です。

名門大学の学生の採用は、1・2 年生のうちにリーチする「早期採用ブランディング」が鍵を握る

早期採用ブランディングで優秀層の学生を獲得する~名門大生のキャリアを支援する就活サイト「CareerPod」

長期インターン募集の情報掲載は、「無料」と伺いました。

長期インターンに参加すると、学生たちはリサーチや資料作成などの基礎的なビジネススキルを身につけられます。また、他者と協働する際のスタンスや、素直な心で学び続ける姿勢、任された仕事をやり遂げる姿勢を学ぶこともできます。こういった経験が、学生にとって「社会に出るための準備」となるのです。「CareerPod」では、優良な長期インターンを実施している企業・NPOを厳選して募集情報を掲載し、学生に参加を勧めています。

掲載可否の判断に際しては、学生が無理なく経験を積めるよう、長期インターンの受け入れに慣れていること、人材育成の体制が整っていることを重視しています。企業・NPOの皆様とともに、学生のキャリア形成を支援していきたいという考えが根底にあるからです。

このような思いから、私たちコンコードの社会貢献活動の一環として、募集情報は「完全無料」で掲載しています。実際に当社を通じて長期インターンに参加した学生からは「1・2年生にこんな機会を与えてくれる企業は本当にありがたいです」(Boston College4年)、「業界理解が深まり、コンサル志望度が上がりました」(東大4年)などの声が届いています。

学生のキャリア形成支援のため、優良な長期インターンシップ募集情報を「完全無料」で掲載

早期採用ブランディングで優秀層の学生を獲得する~名門大生のキャリアを支援する就活サイト「CareerPod」

長期インターン募集情報はこちら

「CareerPod」の今後の展開や事業方針について教えてください。

私たちは「CareerPod」を、キャリア教育のプラットフォームと位置付けています。「CareerPod」を通じてキャリア設計の知見を広く早く伝え、学生の「スロー就活」を支えると同時に、「社会に出るための準備」の機会を提供することで、日本の就活を変えていく。一人一人が適切にキャリアを設計することで、より多くの人々が充実したキャリアを歩んでいけるようになる。このような長期視点で、次世代を担う方々のキャリア形成を支援していきます。

キャリア設計には日本を豊かな社会に変える力があります。キャリア設計によって、精神的にも経済的にも充実した人々が増えれば、日本を活性化させるうえで大きな意味を持つでしょう。自分の好きな仕事を通じて周囲の人々を幸せにし、より良い社会をつくる―そのような豊かな人生であふれる社会を、企業の皆様と一緒に実現していきたいと考えています。

COMPANY PROFILE

株式会社コンコードエグゼクティブグループ https://www.concord-group.co.jp/
代表者/代表取締役社長 CEO 渡辺秀和
事業内容/人材紹介事業、キャリア教育事業、スタートアップ支援事業
株式会社コンコードアカデミー https://concord-academy.co.jp/
代表者/代表取締役会長 渡辺秀和、代表取締役社長 高松祥大
事業内容/「CareerPod」の運営・開発、学生のキャリア支援事業
所在地/ 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ

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