【ヘルスケア分野の中途採用(外資系企業)】細胞治療・遺伝子治療の市場は大きく、経験人材の需要増が見込まれる

日本人材ニュース

Apex(エイペックス)
ホルヘ・エスコベド シニアビジネスマネージャー

当社のデータによると、2024年上半期の外資系製薬企業の採用活動は前年から伸長しており、売り手市場は下半期も続くと予想されます。特に、細胞治療や遺伝子治療に携わる企業が年々増加しており、世界的製薬企業はほぼすべてこの分野の事業に着手しパイプラインを強化しています。市場も大きいことから、経験人材の需要は継続して増加していくでしょう。

職種では、RWE、HEOR、疫学の分野で高度なスキルを持つ人材の需要が顕著に増加しています。比較的新しい専攻分野であるMPHも業界で注目されており、この分野でキャリアを極めたいという人材も少しずつ増えています。マケットアクセスやプライシング、ペイシェントアドボカシーなどのポジションも重要性を増しており、デジタル化の潮流からコマーシャルエクセレンス、デジタルマーケティング職なども採用が活況です。

ただ、高い専門性と語学力を有する優秀人材の獲得は容易ではなく、特にマネジャークラス以上ではそれが顕著で、どの外資系企業でも年収1000万円以上の募集が通常です。給与額や担当領域とともに、裁量権の大きさを意味するグローバルへのレポートライン、上司との相性を含めたカルチャーフィット、リモートワークなどの就業環境も候補者が最も重視するポイントです。より柔軟な在宅勤務制度や採用年齢の引上げなども検討が必要です。

近年ではコンサルティングファームやFMCGなど製薬出身以外の人材を採用する企業も増え、人材不足への対策を講じています。また、オンライン面談により採用スピードが加速していることを考慮し、面接回数を最小限に抑えるなど柔軟性とともにスピードも採用成功の鍵となっています。

さらに外資系企業が注意しなければならないのが、グローバルとのコンセンサスです。最終オファー段階で双方の求める人材像に大きな相違があったというケースもよく見られますので、上級職の場合はエージェント・日本の採用担当者・グローバルの三者でミーティングを行うことが有効でしょう。

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