
JAC International
ダンカン・ハリソン 代表取締役社長
【PROFILE】英系大手人材紹介会社の東京オフィスにてキャリアをスタートし、商社の財務・経理職に特化した採用チームを牽引。2014年には同社の韓国法人にてカントリーマネージャーに就任し、急速な事業拡大を推進。同社をソウル最大規模の人材紹介会社へと成長させる。その後、金融・テクノロジー分野に強みを持つ英系人材紹介会社のアジア統括責任者として中国・深センに赴任し、中国および香港市場での事業成長を牽引。2022年8月、JAC Internationalの代表取締役社長に就任。
外資系企業の人事職に対する採用ニーズは以前より引き続き高いのですが、優秀な候補者の数は依然として不足しており、人材の採用・確保は容易ではありません。特に高い専門性と国際感覚、語学力を兼ね備えたスペシャリストやマネジメント層が不足しており、そういった人材は引く手あまたです。
そのため、企業は給与帯を上げる、採用のスピードを速める、ポテンシャル採用後に社内で育成するなど、柔軟性のある採用による人材確保が目立ってきました。
小売業界や日用消費財(FMCG)業界では、採用、トレーニング、リテンションなどの人事を経営的視点で戦略的に取り組むHRBP(HRビジネスパートナー)への需要が高まっています。
外資系のIT関連企業、特にグローバルなソフトウエア企業やITコンサルティング企業では、シニアHRBPが求められており、人的資本の課題について、経営陣にコンサルティングを行うだけでなく、ビジネスの変革を実行することも期待されています。
また、従業員と企業のコミュニケーションを円滑にするための従業員リレーションズ(Employer Relations)に対する需要も高まっており、外資系企業では、日本の労働法の特殊性などから、そこに精通したスペシャリストの採用を進めています。
訪日外国人数の増加に伴い、ホテルの人事マネジャーへの需要も高まっています。ホテル業界は、これまで他業界に比べて給与水準が低い傾向にありましたが、外資系ホテルの多くは給与・福利厚生制度を見直し、より魅力的にするための改善を進めています。
労働環境の変化や業務の複雑化に伴い、高い専門性を備えた人事職の採用需要は高まっており、この傾向はしばらく続くと予想されます。これまではリファラル採用やダイレクトリクルーティングで採用していた外資系企業も人材紹介会社を活用することが増えています。
人材不足の職種はリテンションも課題であり、いかに離職を防ぎ、長く活躍してもらうかということに多くの企業が取り組んでいます。
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