【金融分野の中途採用(外資系企業)】経済の減速・不確実性に伴って求人抑制も、即戦力人材の採用は継続

金融分野の中途採用

Global Career Incubator
井川 真一 代表取締役

【PROFILE】東京大学法学部卒業後、防衛省入省(国家I種)。米コロンビア大学国際公共政策大学院修了およびオーストラリア国防省勤務を経て、ビジネスの世界へ。大手不動産会社(経営企画、新規事業責任者)、不動産ベンチャー会社(取締役COO)、国内ファンド(グループ経営企画ヘッド)、国内事業会社(取締役)、海外テック企業(General Director)を経験したのち、当社創業(経営管理全般担当)。

日本の外資系金融セクターにおいては、経済の減速・不確実性に伴って、従来よりは全般的な求人需要が抑制されてきていますが、引き続き即戦力人材の採用は続いています。

フロントオフィス職に関しては、資産運用会社やファンドが機関投資家向けに、債券、株式、オルタナティブ投資の強い背景を持つ候補者を積極的に求めています。日本での事業拡大をした投資ファンドでは、マーケティング職も需要が上がってきています。技術職では、インフラ、サイト信頼性、ネットワークエンジニアリングに関する人材に焦点が当たっています。

人材マーケットという観点からは、即戦力人材として採用され、成功する候補者は、技術と金融の専門知識の両方を備えており、強い分析スキル、複雑な金融商品と市場のダイナミクスへの深い理解を持ち合わせています。

フロントオフィス職では案件獲得、金融分析、トレーディング、機関投資家などの顧客管理での実績のある候補者が高く評価され、コーポレートファイナンス、M&A、ECM/DCM、リスク管理の経験が重視されています。また、技術職であれば、AI活用、ソフトウエア開発やネットワークエンジニアリングとデータ分析の強固な知識と経験があることが有利になります。

総じて優秀な人材はこれらのスキルに加え、適応力があり、多様な環境で働き、グローバルチームにおいて複雑なプロジェクトを管理する経験と能力を持っています。

優秀な候補者に対して企業が訴求し、採用を成功させるためには、これまでのように単に求人出稿と面接を繰り返すだけでは足りません。

例えば、形式的な資格よりもソフトスキルと潜在能力を見極めた長期的な成長支援、金融業界以外からの転職者を積極的に受け入れることで異業種での経験をイノベーションにつなげる努力、ネットワーキングイベント、業界会議、オンラインプラットフォームを通じた地道なエンゲージメント施策などを通じ、これまで以上に柔軟かつ積極的な施策を打ち出していく必要があります。

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