生成AI が変革する人事の未来〜HRテクノロジーの進化と可能性-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】

急速に進化する生成AIを人事業務の中でどのように活用していくかに注目が集まっている。SAP®SuccessFactors®の導入や運用に生成AIをいち早く活用して顧客企業の生産性向上に貢献している株式会社オデッセイの秋葉尊社長に、生成AIの今後の可能性や活用状況などについて寄稿してもらった。

株式会社オデッセイ 秋葉 尊 代表取締役社長

株式会社オデッセイ
秋葉 尊 代表取締役社長

【PROFILE】NECにて営業、マーケティングを経験後、2003年オデッセイ入社、2011年より現職。独自の人事ソリューションでSAP業界トップクラスの導入実績を誇る。SAP AWARD OF EXCELLENCE 2024受賞

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<第1回>人的資本情報開示2年目、日本企業の現在地と今後の対策-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】

<第2回>人事革新の実現に向けて〜グローバルベストプラクティスで創る未来-人事ソリューションで日本企業の“競争力”を高める【株式会社オデッセイ】

人事システムの進化とHRテクノロジーの躍進

かつて人事システムといえば事務作業の効率化が主な目的だった。

しかし、欧米で普及したタレントマネジメントシステムが次第に日本でも広がり、現在では人的資本経営を実現するために不可欠なシステムとして再び注目されている。

人事業務のIT化に対する視点が変化する中で、技術の進化とともにHRテクノロジーの活用が進み、人事業務のあり方も根本的に変わりつつある。

本稿では、HRテクノロジーが人事業務にどのような変革をもたらし、そしてその中で生成AIが果たす役割とその可能性について探る。

生成AIが切り拓く新たな人事業務

2023年にラスベガスで開催されたHR Technology Conference & Expoでは、生成AIがHRテクノロジーの新たな牽引役として注目を集めた。特に、ChatGPTのような生成AI技術が人事分野でどのように活用されるかが焦点となり、多くのパッケージが生成AIを活用した機能を紹介していた。

中でも印象深かったのは、ジョブディスクリプションやスキル定義を対話形式で自動生成する機能だ。従来のAIとは異なり、生成AIは人間と対話しながらその場で文章を生成できるため、これまでにない革新性を感じた。

2023年はHRテクノロジーにおける「生成AI元年」と言えるだろう。今後、この技術は飛躍的に進化し、人事業務に一層深い変革をもたらすと考えられる。

SAP® SuccessFactors®も生成AIを活用した機能を発表

当社が扱うSAP® SuccessFactors®も、生成AIを活用した機能を次々と発表している。ジョブディスクリプションの自動生成や採用の募集要項作成、目標管理シートの作成支援などがその一例だ。

さらに、SAP全体で利用可能な生成AIアシスタント「Joule」は、ERPが管理するデータを横断的に収集・分析し、業務の垣根を超えた情報の可視化を容易に実現する。「Joule」を利用すれば、特別なスキルがなくても必要な情報をタイムリーに取得・分析できるため、企業で効果的な情報活用が進むだろう。

AIチャットボットが問題を即解決、保守サポート費も節約

また、当社でも生成AIの活用を進めている。

2021年にはAIチャットボット「MetisAI®」(メティサイ)をリリースした。このチャットボットは、独自に開発した導入テンプレート「Ulysses®」を活用して SAP® SuccessFactors®を導入したお客様向けに設計されたもので、操作中に生じる不明点や、設定を行う際に発生する疑問点をタイムリーに解消する役割を担っている。

●「MetisAI®」の活用場面

株式会社オデッセイ

そして今回、MetisAI®はさらに進化を遂げる。新バージョンでは、生成AIに対応するためにChatGPT-4oを基本エンジンとして採用する。これにより、従来よりも親和性の高いコミュニケーションが可能となり、的確でわかりやすい回答を迅速に提供できるようになる。

この強化により、問題の早期解決が促進されるだけでなく、保守サポート費用のさらなる削減も期待できる。

●導入テンプレート「Ulysses®」活用企業に提供される「 MetisAI®」の役割

株式会社オデッセイ

生成AIは働き方を革新し、組織のサステナブルな成長を支える

生成AIの可能性は、私たちの想像を超える広がりを持っている。これからのHRテクノロジーは、単なる業務効率化を超え、人間とAIが共存しながら新たな価値を生み出す時代へと進化していくと考えられている。

生成AIは、従業員の潜在能力を引き出し、企業の成長を加速させるだけでなく、組織の知恵と創造力を引き出し、次世代のリーダー育成にも大きく貢献するだろう。HRテクノロジーの進化は、働く人々の可能性を広げ、組織が変化する環境に柔軟に適応する力を与える。

生成AIは、これからの働き方に革新をもたらし、組織のサステナブルな成長を支えるうえで不可欠な存在となるだろう。

企業には、この技術を最大限に活用し、未来を切り拓くために新たな価値を創造していくことが求められている。


【導入企業の声】MAIA

従業員数:20人   本社:東京都港区
事業内容:リスキリング・就労支援、地域活性化支援、ITコンサルティング

導入テンプレート「Ulysses®」を活用して短期間でプラットフォームを構築し、管理運用の効率化が大幅に向上

MAIAは、デジタル人材の育成から就労までを一貫して支援するため、「MAIAキャリアサポートプラットフォーム」を構築しました。

このプラットフォームは、SAP® SuccessFactors®を基盤としており、会員情報の一元管理、学習履歴の追跡、資格取得のデータ管理を可能にし、会員と求人とのマッチングを効率的に行えるよう設計されています。

以前、MAIAでは、会員情報や案件情報を個別のシステムで管理していたため、情報の更新や連携が煩雑であり、スムーズなキャリア支援を提供する上で課題がありました。

そこで、これらの課題を解決し、より迅速かつ効果的なキャリア支援を目指すため、オデッセイの導入テンプレート「Ulysses®」を活用し、短期間でプラットフォームを構築しました。

この導入により、情報の一元化が進み、さらに登録者が自ら情報を更新・閲覧できる機能が追加されたことで、管理運用の効率が大幅に向上しました。

業務効率化に重要な最新のステータス把握が可能になり、AIを活用してデータに基づくマッチングの最適化を図る

「MAIAキャリアサポートプラットフォーム」の導入によって、会員のキャリア形成支援は一層強化され、毎年300人規模で増加する会員情報にも対応可能となりました。

特に、女性のキャリア支援において、ライフステージの変化に伴う就業可能時間の変動に柔軟に対応できる最新のステータス把握が重要視されており、このプラットフォームがそのニーズに応えています。

また、AIを活用して、会員情報やスキル、資格などのデータを基にマッチングの最適化を図り、効率的な就労支援が実現しています。

今後もMAIAは自治体との連携を強化し、「でじたる女子プロジェクト」を全国に展開することを計画しています。また、サブスクリプションモデルによる育成プログラムの提供や、LMS(学習管理システム)などのモジュール拡張を通じて、使い勝手の向上を図り、女性のキャリア支援を中心に、さらなる進化を遂げていく予定です。


株式会社オデッセイ

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