育休の不安は男女ともに「収入減少」ーーこんな結果が人材サービス会社マイナビが子育て中の正社員を対象に実施した調査で明らかになった。

育児休業の取得にあたって不安だったことを聞いたところ、男性の34.7%、女性の41.7%が「収入減少」を挙げて、他の内容を引き離して最多だった。
男性は「特にない(26.7%)」「周りへの申し訳なさ(19.0%)」「人手が足りていない(18.7%」が続いた。
女性は「周りへの申し訳なさ(22.7%)」「社会とのつながりが減ること(22.3%)」「仕事の空白期間ができること(20.7%)」が上位に挙がった。
男性の育休取得日数は、2週間未満(25.7%)、2週間~1カ月未満(18.7%)、1カ月以上~3カ月未満(26.7%)で7割を占めた。女性は1年以上が60.7%。
子育て中の正社員のうち、育児との兼ね合いで退職を経験、あるいは退職を検討したことがある人は35.0%。男性は、育休経験のない人は18.0%、育休経験のある人は33.3%となり、育休経験の有無による差が見られた。
離職防止やキャリア支援に力を入れる企業の取り組み
女性の約9割は子どもの年齢にかかわらず正社員として働くことを希望している。子育てのフェーズごとに理想の働き方を聞いたところ、「キャリアアップ・管理職も見据えてフルタイムの正社員で働く」ことを希望している女性は、子供が中学生になった時点で半数を超える。
一方、男性に妻の理想の働き方を聞いたところ、子育てのフェーズにかかわらず、「キャリアアップ・管理職も見据えてフルタイムの正社員で働く」ことを希望する人が半数を超えている。
子育てのフェーズ | キャリアアップ・管理職も見据えてフルタイムの正社員で働くことを希望する女性 | 妻がキャリアアップ・管理職も見据えてフルタイムの正社員で働くことを希望する男性 |
保育園/幼稚園入園前 | 43.8% | 51.8% |
保育園/幼稚園入園後 | 41.5% | 50.0% |
小学校低学年 | 43.0% | 50.5% |
小学校高学年 | 47.8% | 53.0% |
中学生 | 53.3% | 55.0% |
働き方の希望は多様化
- 正社員の4割以上が「静かな退職」、今後も「静かな退職」を続けたい人が7割
- コロナ禍を経てリモートワークはどのように変化したか これからの働き方の最適解は?
- 転職検討中の2024年新卒社員は38.2%、半数がキャリアパスに不満
調査を行った「マイナビ転職」の瀧川さおり編集長は、子育て中の女性の正社員としてのキャリア継続意向の高さについて、「女性が生涯正社員として就労を続けるケースとそうではないケースでは生涯年収に大きな差が出ること、一度正社員を辞めてしまうと、再び正社員に戻ることが難しい現状などが影響していると考えられます」とコメントしている。
育児離職と育休の男女差実態調査(2025)の詳細はこちら
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/22/
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