think shift
浅野 泰生 代表取締役 CEO
【PROFILE】大学卒業後、一部上場の飲料メーカーに営業職として入社。大手税理士法人で会計実務に従事。2006年 中小企業の経営支援に特化した業務システム開発会社に入社。2014年 血縁関係のない創業者からの経営承継により代表取締役社長に就任。2015年 引き継いだ当初赤字続きだった同社を就任初年度に黒字化。2017年 新規事業を展開するための戦略子会社を設立、設立2年目で単年黒字化に成功。2018年 就任から在任期間中5期連続で増収を達成。2019年 後継者支援に専念すべくthink shiftを創立。
「個」が尊重される時代になり、「個」としての扱いを求める若年層が増えてきています。その割には、指示がなければ何もしない…。また、少し要求するだけでパワハラだと主張する…。世代間での大きな意識の隔たりがあり、さらに昨今はコロナ禍で働き方の変革を迫られるなかでも、リーダーは会社から結果を求められます。そんな時代だからこそ、いや、時代が変わっても普遍的な部下の“トリセツ”があるとの想いで出版しました。
本書に書かれていることは、すべて私の実体験です。34歳の時にはじめて小さなグループを任されました。“偉い人”になってしまった私は、2人しかいない部下から無視されました。42歳で小さな会社を継ぎました。50人ほどいた社員のほとんどから、社長として認めてもらえませんでした。
最初は、ついてこない部下を責めました。一方的に指示を出し、結果が出なければ厳しい指摘を繰り返す。当然、部下との関係性は悪化し、多くの社員との別れも経験しました。
この悪循環に歯止めをかけるべくアプローチを180度転換しました。「ついてこれない」と相手に原因を求めるのではなく、部下から「ついてきたい!」と思われるにはどうするべきなのかを考え抜きました。そして、部下を変えようとするのではなく、リーダーである自分自身の対応を変えることにしたのです。
その結果、徐々に部下との関係性も良くなり、結果も出るという好循環をもたらしました。そして、独立する際には、13人の部下が安定した環境を捨ててまでついてきてくれたのです。
本書は、多様な部下の具体的な振る舞いに、どのように対応してきたかを解説しています。当初は、部下との関わりを念頭に書いていたものが、振り返ると「リーダーのトリセツ」になっていました。読者からは、部下に限らず、同僚やお客さま、さらに家族との関わりにも応用できるコミュニケーションの指南書と評価されています。本書が、部下との関係性を向上させるだけでなく、結果の出せるリーダーになるための一助となれば幸いです。
浅野泰生 著
総合法令出版、1,400円+税