シー・シー・コンサルティング
藤本 玲子 マネージド・パッケージ スーパーバイザー
当社が運営するバイリンガル人材採用に特化した求人サイト「キャリアクロス」では、外資系企業による人材ニーズの増加に加え、これまで外国語を必要とするポジションがなかった日系企業も採用を始めたことによりバイリンガル人材の中途採用は増加傾向にあります。
特に海外顧客との対応ができる営業職、海外拠点と連携して戦略立案、実施ができるマーケティング職の人材に関する問い合わせが増えています。
採用の傾向は、業界や職種未経験でも30代後半までポテンシャル人材とみなされる、特に海外営業やサポート業務のようなコミュニケーション力が重要となるポジションで顕著です。ほぼ全職種で、高いスキルと実績があれば40代以上でも積極的に採用を行っています。
バイリンガル人材を求める多くの企業は年齢などの数量的な選定条件にとらわれ過ぎず、キャリアと可能性を重視し採用を決定する傾向があります。しかし、採用基準はどの企業も厳しく経験の有無に関わらず入社後は即戦力としての活躍を求めます。
求職者による転職先企業の選択基準は、以前は英語を使える環境が第一でしたが、最近では企業理念や方針の共感といった点の比重が高くなっています。この人材層は、知識と経験を応用して新しいことに挑戦できるような仕事を好み、会社と共に成長できる環境を求めることが多いため、自社をどのように魅力付けして求職者たちの心をつかむかが重要な要素です。
採用に成功している企業が実施している具体的なポイントは次の通りです。1.担当業務の詳細と必須スキルの明確化、2.自社を差別化できる魅力の明示、3.スピーディーな選考プロセス、4.ポテンシャル採用の可能性の追求、5. 正式応募前にカジュアルな相互理解の機会を設ける。
バイリンガル人材の採用に不慣れな場合、特に3と4を行っていないことで優秀な人材採用の機会を逃している企業が見受けられます。人事部門が多忙な場合は外部に委託することも視野に入れ、有効となる手法を柔軟に取り入れることが成功の秘訣といえるでしょう。