【小売・販売分野の中途採用】様々な採用の工夫で求職者の獲得に成功する企業も増えている

日本データビジョン
田中 孝明 RPO事業部 リクルーティングオペレーション部 部長

流通・小売業界の中途採用は、厳しい状況が続いています。その理由に、長時間労働やハードワーク等のネガティブな印象がぬぐい切れていないことが背景にあります。実態の勤務時間や休日数を求人広告に明記しても、面接時に確認される等、求職者の動きも慎重です。

そのため、採用方法・条件緩和・広告表現の工夫・集客経路の拡大等、多くの企業が努力をしています。

例えば、業界の魅力・成長性、競合との差別化ポイント、さらに具体的なキャリアパスを明確にしたり、出張面接を行い求職者にとって足を運びやすい環境を作ったり、内定までのスピードを早める体制を整える等、様々な策を講じて候補者の取り込みに苦心しています。

その結果、母集団は一定数確保できるようになりつつあり、最低限の応募資格を有する求職者の獲得に成功する企業が増えてはいるものの、中途採用で欲しいレベルの即戦力という意味で成功している企業はまだ少数です。

本当に欲しい人材、つまり現場での接客力があるということよりも、戦略的に店舗経営を考えられる人材、または将来的に見込める人材との接点の強化が今後のテーマとなるでしょう。キーワードは「ストック型」と「入社後のフォロー体制」であると感じます。

流通・小売業界は、もとより従業員数が多く一定の離職もあることに加え、出店計画に合わせて大量の採用数となるケースがしばしばあります。

そのため、常に採用できるスキームを整えておくことや、他業界からの転職層を取り込む術など、ストック型の採用体制を構築する必要があります。

また、入社までの手法に対する工夫だけではなく、入社後の制度や多様な働き方に対するフォロー体制まで考え抜いているか否かが、企業の採用力に大きく影響しているように感じます。

まだまだ着手できていない、もしくは後回しにしている企業も多いですが、本当の意味で自社の採用力をつけるには必須の視点となります。社外パートナーの効果的活用は実現への近道になりえるでしょう。

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