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岩下 純子 人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチーム マネージャー
女性活躍推進法が4月に施行され、女性の活躍推進に積極的に取り組む企業がより一層増えてきました。女性管理職の数値目標を具体的に掲げている企業も多く、社内登用だけでは足りない部分を外部から採用するケースも増加傾向にあります。
なかでも女性管理職等の年収700万円以上のハイキャリア層の採用実績の伸びが特に著しく、2015年実績は2014年と比較すると大幅に伸びています。また、最初から管理職ではなく、管理職候補として採用して、実績を上げた後に管理職に昇格するケースも目立ちます。
女性活躍推進の象徴的な案件では「ダイバーシティ推進責任者」を外部から採用する企業も出たりと各社関心の高さと社内での期待値の高さを感じます。
ニーズの高い職種は、女性が多く活躍している管理部門(経理・人事・法務など)です。女性管理職比率を上げるにはもともと活躍している女性が多い職場の方がロールモデルも多く、入社後の活躍のイメージが湧きやすいというメリットがあります。
一方、現状女性比率が低く、今後の活躍を期待したい職種として営業職やエンジニアを積極採用している企業も目立ちます。そのような職種では、転職者にとっては労働環境が転職先を選ぶ比較対象の軸となるため、企業側もより一層の環境整備が求められます。
求職者はより長いスパンでキャリアを考えることが多くなっており、ライフイベントを経て継続就業できる環境かどうかを冷静に見極めています。
育休取得実績はもちろん、女性管理職の比率や行動計画などをじっくりと読んだ上で、その会社の女性活躍を求職者自身が見極める場面も出てきているのは、今回の法律施行後の大きな特徴でもあると思います。
そういった点では、企業側も採用競争力を上げるために女性活躍推進に関する情報開示を積極的かつ誠実に行うことが優秀な人材の採用にもつながります。
現状の実績が芳しくなくても、女性活躍推進に関する経営の意思や行動計画が具体的であれば、十分に魅力を伝えられると感じています。