経営課題を解決に導くエグゼクティブ層の採用ニーズが拡大~エグゼクティブ採用の課題(1)【リクルートエグゼクティブエージェント】

日本にエグゼクティブ採用のマーケットを確立することを目指しているリクルートエグゼクティブエージェント。同社は今、リテーナーサーチのほか、業界随一の海外ネットワークを駆使したグローバル人材の紹介に力を入れている。その狙いや背景などについて、波戸内啓介社長に話を聞いた。

リクルートエグゼクティブエージェント

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波戸内 啓介 代表取締役社長

1989年、リクルート入社。営業部門、企画部門責任者を経て、リクルートHRマーケティング関西等、グループ会社の代表取締役社長を歴任する。2011年4月から現職。

日系企業でも社外から役員を招くなど エグゼクティブ人材の採用ニーズが急速に高まっています。

重大な事業計画の推進時に必要となるエグゼクティブ人材を探す支援は着実に増えています。そのほとんどが新規事業や海外進出の責任者、あるいは投資先の経営を任せる人材といった、難易度の高い条件です。最近の実績では、消費財メーカーでグローバル事業の責任者を務めた役員経験者を食品メーカーの海外事業担当役員として決定したケースがあります。

グローバル展開が大きな課題だったので、当初は外国人を招こうとの話もあったのですが、コンサルタントがよく話を聞くと国籍に関わらず力のある人材であればよいと判断できましたので、提案の上でサーチを実施しました。その後、その会社では採用した人材が中心となってグローバル展開を順調に進め、成果を上げています。また、製造業に加えて、ヘルスケアや金融分野の日系企業でも実績が出始めたことも最近の特徴的な動きでしょう。

リテーナーサーチのサービス体制を強化しているということですが。

エグゼクティブ採用の候補者で積極的に転職活動を行っている方はごく少数です。ですからビジネスの第一線で現役で活躍している潜在層も含めて、最もふさわしい人材を探し出すためにリテーナーサーチは有効な手段です。当社でもリテーナーサーチへのニーズの高まりを受けて、2010年にサービスを開始しました。また、これまでは成功報酬とリテーナーにグループを分け、さらにそれぞれ業種別のチームに分けていたのですが今年4月から統合して業種別グループの中に成功報酬とリテーナーのチームをまとめています。

クライアントからみれば「必要な人材が確保できれば成功報酬でもリテーナーのどちらでもいい」という思いがありますから、クライアントに求める人材イメージをヒアリングし、どちらのサービスがふさわしいかを見極めて提案するという体制に改めたのです。 リテーナーは事前に着手金が発生するシステムですので、いうまでもなく「採用が決定すること」が最重要の目的です。

したがって、難しい案件や条件は事前にクライアントとしっかり期待値のすり合わせを行います。さらにはサーチが困難だと判断した場合はお断りするようにしています。お受けするからには、きちんと決めるということが大切であり、そこにこだわりを持って取り組んでいます。

2001年の創業から2500人以上の経営層・エグゼクティブ層の紹介・決定実績

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社外取締役の紹介にも力を入れていると聞いています。この分野の人材ニーズを教えてください。

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経営のチェック機能をきちんとしていこうという社会的な要請が背景にあります。東京証券取引所が独立役員制度を強化するなど、政府や経済団体などからもその必要性を指摘する声が上がり始めました。そうした理由から企業から独立したボードメンバーとして、社外取締役を導入する企業が増えているのです。

当社では、それに加えて事業を推進していく上でプラスとなるようなマーケットを熟知している人のアドバイスを得る、といったことに社外取締役は有効ではないかと考えています。例えば、すでに紹介実績のある社外取締役の採用では、優秀な女性の方を紹介しました。女性の感性でさまざまな意見を言ってもらうところに価値があるのだと思います。

さらにいえば商法的な取締役でなくても顧問やアドバイザーという位置づけで、女性やシニア人材を活用していくという市場があるのではないかと見ていますし、今後は企業の人材戦略として重要になると考えています。

●リクルートエグゼクティブエージェント リテーナーサーチサービスの競争優位

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グローバル人材の採用ニーズはこれまで以上に高まっていますが、どのような人材が求められているのでしょうか。

グローバル人材のニーズは引き続き堅調です。クライアントに必ず確認するのは事業がどのようなフェーズにあるのかということです。これから進出するのか、すでに進出していてテコ入れをするのか、あるいは成熟した中で次の展開を目指すのかなど段階に応じて必要な人材は変わります。

例えば進出フェーズでは市場開拓に長けた人、成長フェーズでは営業部隊をグイグイ引っ張っていく人や生産力増強を管理できる人材、といったイメージですね。地域では昨年までは中国のニーズが高かったのですが、ここにきて、東南アジアのニーズが圧倒的に高まっています。最近は、米国も増えています。

本社と現地法人のコミュニケーションをしっかり取れ、ファイナンスやリーガル的なことも理解し、ローカルスタッフをきちんとマネジメントできる人材が求められています。しかし、そのようなグローバル人材はそう多くはいません。

エグゼクティブ人材を紹介するエージェントはそうした中でいかに人材を見つけてくるかが問われるわけですが、当社は国内にいる人材とのネットワークは当然ですが、海外で活躍している人材ともネットワーキングして人材を探し出しています。

貴社のエグゼクティブ人材の採用支援には、どのような優位性があるのでしょうか。

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当社の優位性は5つほどあると考えています。まずはリクルートのブランドで、サーチした意中の候補者と面談に持ち込める確率が高いという強みがあります。特に日系企業の人材に対するリーチ力が圧倒的に高いので、より広範な層にアプローチできるのは大きな特長ではないかと自負しています。

2つ目は、日系・外資系の有名なサーチファームからトップクラスのコンサルタントが参加してくれているということです。コンサルタントにはクライアントの経営状況を詳細に把握して人材を探し出す能力が必要です。3つ目は、先程お話したようにリテーナーでも成果報酬でも「採用決定にこだわる」という姿勢です。付随して決定までのスピードも重視しています。4つ目は、35人という圧倒的なコンサルタント数を擁していることです。

そして最後は、グローバル・ネットワークです。リクルートは中国最大のエグゼクティブファーム「Bó Lè」やインドの人材紹介会社「ニューグリッドコンサルティング(現RGF Executive Search)」を100%子会社としました。中国から東南アジア、インドに至るエリアで、これら子会社との連携により、圧倒的なエグゼクティブ人材ネットワークと約1000人のコンサルタント体制を整えています。これは大きなアドバンテージであると思っています。

●エグゼクティブ採用支援例

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グローバルなスケールとスピードを重視した人材紹介に取り組んでいることが分かりました。

企業が求めるエグゼクティブ人材の多くはグローバル人材ですので、当社ではコンサルタントをよく海外に行かせるようにしています。候補者に会うのはもちろんですが、現地の事情をより深く理解させるためです。自らの体感を伴った知識を持っていないとクライアントの相談に応じることは難しいですね。

日本のエージェントの多くは海外の提携先との電話やメールなどのコミュニケーションで話を進めていますが、コンサルタントが直接世界を飛び回っている当社とは大きく違うところだと思っています。グローバルな事業展開においては、どの国においても経営理念や商品の肝の部分など変えてはいけない面と、経営手法など場所や時代に合わせて変えていかなければならない面があると思います。

グローバル競争とはすなわちスピード競争でもありますし、日本企業の競争相手も、外国の企業が増えています。そうした中では、事業拠点や専門分野のマネジメントは、知識や経験が豊富なプロフェッショナルに権限を与えてスピーディーに手がけていくことが大事ではないでしょうか。

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